「ち、違っ、んあぁぁぁ! だめぇぇ!」
「恥ずかしがらなくていいって。30後半だとちょうど良い感じに熟れた頃だもんな。しかも、溜まってたんでしょ性欲? まぁそりゃこんなエロマンコにもなっても仕方がないよ」
由紀子はもうただ喘ぐしかなかった。股を中心に全身が震える。しかし、快感の電気は子宮と脳を繋いだ様に、最短距離を通って由紀子の頭へと走ってくる。そして数秒と経たずして、頭の中が一気に弾け飛んだ。
「あっ? だ…ダメ!! い、い、い……イグゥぅぅ!」
由紀子の腰が跳ねる。それに合わせて、肉をかき出す様に、秀介は勢い良く指を引き抜いた。
瞬間、ピューと由紀子の股から一直線に潮が吹き出される。それはベッドを超えて、寝室の床へとボタボタと音を立てて落ちていった。
秀介は指に付いた由紀子の愛液を嗅いで、そして舐めとった。
「凄い熟成された味がするね由紀子さんの愛液。鼻の奥までくるくらいキツイ臭いだよ」
秀介は楽しげに笑う。
しかしその声も、今の由紀子には全く届いていなかった。
目は虚空を眺め、息は絶え絶え。手足は力無く投げ出されていた。
未だに襲ってくる快感の余韻に押し出されて、情けなく半開きになった由紀子の口からは小さな喘ぎ声が漏れる。
「あれっ? 由紀子さん? おーい……あーあ、どっかいっちゃってるよ。まだまだこれからだってのに」
秀介は呆れた様にため息をついた。
(す、凄すぎる……こんなに気持ち良いの……今まで味わったことないわよ)
由紀子にとって今までセックスとは第一に義務だった。気持ち良いかどうかは二の次三の次で、愛を確かめあうのが第一なのだと。
しかし、その考えは脆くも崩れ落ちそうだった。そんな事を言ってこれたのは、それを超える快感に出会った事が無いからなのかもしれない、と。
だが、
(そんなこと……そんなこと……あるわけない。そうよ。一番大事なのは愛。快感なんかに流されちゃ駄目)
由紀子の心は寸前のところで堪えた。それは、秀介に間違いを諭す、というこれまた義務の心からだった。
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