(続き………)
* 妻とアサミちゃんの激しい電話のやり取りを聞き、明日、タカシと逢う事を
知った私は、その様子を克明に把握したい欲求に駆られていたのでした。
再び居間に戻り、「報道ステーション」を見ていると……
眞澄「あなた、明日の夜出かけるけどいいかしら?今日ねぇ、学生時代の友人の
チカコから電話があって、久し振りにススキノで会いましょうって連絡があった
のよ。ユキコも含めて4,5人で集まるからちょっと遅くなるかも知れないわ。す
いませんけど、食事は外で済ませて来て貰えるかしら…」
(ほ~う、そう来たか……)
私「あぁ、いいよ。晩飯は適当に済ませるから、楽しんでこいよ。」
明日の妻とタカシの逢瀬から頭が離れませんでした。
(どうせ、最後まで行くに決まっている…)
何とかその様子の詳細を知りたい…
しかし、中々良い方法が思い当たらない…
結局、この欲求を満たす手段はたった一つしかないのでした……
私は意を決してタカシに電話をする事にしました。
携帯の番号は、ゴルフ場で交換していましたから…
私「もしもし、城之内です。先日は、どうもお世話になりました…」
タカシ「…あっ、どうも城之内さん、どうしたんですか?次のゴルフの予定で
も…」
私「…いや、違うんだよ…今日は、折り入って君に頼みがあってね…」
タカシ「…えっ、何でしょうか?僕に頼みって…」
私「…率直に言うから、びっくりしないで聞いて貰いたいんだが……明日、内の
妻と逢う約束してるよねぇ…?」
タカシ「えっ!……一体、何の事でしょうか…?」
私「いや、いや別にごまかさなくてもいいんだよ、私はおおよその事は分かって
いるからね…実は、その事で君に頼みがある。…」
タカシ「……ど、どうして知ってるんですか?……」
私「夫婦を長年やってるとねぇ、大体の事は分かるものだよ、別にびっくりしな
くていいよ。その事で、とやかく言うつもりは全くないから、心配しなくていい
んだよ。」
タカシ「……………。」
私「ここからが私からの頼みなんだが……明日、君と妻がどこで何をしようと二
人の自由だ。…一切咎めるつもりはない…ただ、その代わりと言ってはなんだ
が、…妻と君の様子を詳しく知りたい…。」
タカシ「…ちょ、ちょっと待ってください、…ご主人が何を言っておられるの
か、よく理解出来ないんですが…」
私「それは、しょうがないと思う。私の頼みは、普通の事じゃあないからね…も
う一度言うけど、君達の様子を詳しく撮って、私に送って欲しい。…もし、お金
が必要なら、2,3万なら払っても構わないんだが…」
タカシ「お金なんてとんでもない!…でも、どうしてそんな事を…ご自分の奥さ
んですよねぇ…」
私「君の言う事には無理はないよ…恥を偲んで言うけど…私には、変わった癖が
ある…これで、何とか理解してくれないだろうか?…」
タカシ「…それって、いわゆる寝取られ…ってやつですか?」
私「…そう思って貰って構わない…」
タカシ「う~ん、…僕なんかには全く理解出来ないんですが…まぁ、取り敢えず
分かりました…で、どうすればいいですか?」
私「二人の様子を録画したものを、後日、私あてに親展で送って貰えれば有難
い。それと、この事は妻には絶対に黙っていて欲しい…」
タカシ「…そんな事は言いませんよ…まぁ、未だによく理解出来ないけど、何と
かやってみます…」
私「無理な頼みをして悪いね…今度、ゴルフでも一緒に行こうや、私が持つよ。
じゃあ、よろしく頼むね…」
そうタカシに言付けをして電話を切りました……
翌日の金曜日の夜、私は職場の仲間と駅前の居酒屋とスナックで飲み、家に帰っ
たのは11時過ぎでした。
当然、眞澄は戻っている訳もありません…
テレビをつけ、CDを聴いたりしていましたが、二人の事を思うと興奮して目が
冴えてしまっています。
夜中の1時が過ぎ…2時が過ぎ…時計の針は3時を回りましたが、眞澄はまだ帰っ
て来ませんでした…
さすがにこの時間になると、多少の睡魔に襲われベッドに入って、うつらうつら
とし、家の前にタクシーの停まる音で目を覚ましたのが、4:30頃でした…
玄関のドアが開き、妻が帰って来ました…
おそらく、7時頃からは逢ったのでしょうから、約9時間にも及ぶ逢瀬でした…
翌日、土曜日の朝はゆっくりと起きて、10時頃の朝食でした。
私「昨日は、随分遅かったようだけど何時頃戻ったんだ…?」
眞澄「…あら、あなたは昨日何時頃、お休みになったの…?」
私「昨日はなぁ、仕事帰りに仲間と駅前に飲みに出てさ、家に着いたのが11時頃
で、1時頃だったかなぁ…」
眞澄「…私は2時前だったかしら…結局、チカコやユキコ達で5人集まって、昔話
ですっかり盛り上がって、ススキノのお店3軒も梯子だったのよ…楽しいから、
またちょくちょく会いましょうって事で…もしかしたら、来週の金曜日も出かけ
るかも知れないわ……」
(…もう、次の約束まで交わしてるのか…)
一生懸命に嘘を並べる妻の首筋にうっすらとキスマークの痕が覗き、昨夜のタカ
シとの情交の激しさを物語っていました……
その日の夜、夕食の後片付けを終え、妻が2階の寝室に上がりドアを閉めまし
た。
眞澄「…もしもし、城之内ですけど…アサミさん?」
妻は携帯からアサミちゃんに電話を掛けているようでした…
眞澄「…こんばんは、昨日は、ぐっすりお休みになれたかしら…?」
アサミ「…何よ、…わざわざ人のところに電話なんかかけてきて…」
眞澄「いえね、あなたが昨日穏やかにお休みになれたのかしらと思って、心配
だったものだから…」
アサミ「…心にも無い事言わないでよ!あんた、昨日本当にタカシと逢ってた
の?……タカシに何回電話しても1度も繋がらないし…未だに掛けてもくれない
のよ!夜中の3時過ぎまで、何回も掛けたのに…」
眞澄「あらぁ、それはお気の毒だったわねぇ…彼の方に何か電話に出られない事
情があったんじゃないかしら?……」
アサミ「何よ!また、そんな挑発するような言い方して!大体、何で私のところ
にわざわざ掛けてくるのよ!…」
眞澄「あらっ、またそんな乱暴な言い方をして…私はあなたの事心配しているの
よ…いろんな事あれこれ考えて、また落ち着かないんじゃあないかと思って
ね……」
アサミ「…別に、あんたの口からなんか、何も聞きたくないわよ…どうせ、有り
もしない事、並べ立てて私を動揺させようとしてるんでしょ!…」
眞澄「あれこれ想像しなくてもいいように本当の事教えてあげるわよ…」
アサミ「…あんたの声なんか、もう聞きたくもないから切るわよ。」
眞澄「ちょっと待ちなさいよ、彼が電話にでなかったのはねぇ、私とずうっとス
スキノのホテルに居たからよ。分かったかしら?…」
(……続く)
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