(続き……)
野口さんの奥さんの話の真偽を確かめるために、妻の化粧ドレッサーの引き出し
を探したところ、「check out」という妊娠検査薬とピルを発見した私は、その予
想外の結果に愕然とし、しばらく呆然としていました。
いくら、自分の性癖を満足させるために、最初のきっかけを作ってしまった私の
自己責任は認めるにせよ、52歳の妻がその奔放な数々の浮気の結果、妊娠まで
してしまうのは、私にとっては全く想定外の結果だったのです…
それは、妻にとっても同じ事が言えるのだと思います。
息子を産んだのは、妻が31歳の時でした。
その時の出産が帝王切開で大変だったことと、子育ての最初の頃に少し育児ノ
イローゼになったこともあり、夫婦間では子供は一人でいいという事で、その後
の私とのセックスでは、ずうっと避妊をしていました。
妻が、45歳頃からはスキンを付けずにセックスをしてきましたが、当然その年
齢からは、妊娠などする訳もなかったのです。
ところが、この1年半余りの間の激しく頻繁な妻の性行により、肉体が何らかの
変化をもたらしたのでしょうか…
おそらく、妻も最初にこの事実を知った時には、さぞかし驚いた事でしょう。
しかし、お腹の子が誰の子であれ、間違いなく「産む」などという選択肢などな
いのです。
後は、これから気をつければいいという割り切りでしょうし、これをきっかけに
貞淑な主婦に戻るということではなく、これからも「女」として楽しむというそ
の淫らな決意の表れが、おそらく「ピル」なのでしょう……
最近は世間でよく、「モンスターペアレント」とか「モンスターティーチャー」
などと言った常識を逸脱した人種達の存在が話題になりますが、今や妻は私の
手でコントロールの効かない「モンスターワイフ」になってしまったのかも知れ
ません。
最近、またこんな事がありました。
2週間ほど前の土曜日の夕方の4時頃だったと思いますが、そろそろ妻が夕食の
支度をし始めようとしていた頃、町内会の回覧板が回って来ました。
回覧板の内容は、雪も溶けたので5月の第2週の日曜日の午前中に、町内会の一
斉清掃を行うというものでした。
眞澄「次は、裏の吉田さんだからあなた持って行ってくださいね。私そろそろ食
事の支度をしなくちゃならないから。」
私「こういうのは普通奥さんが持って行くもんだろう、こんなの持って行くの恥
ずかしいからお前行ってこいよ。」
眞澄「…家に居る時くらいこういう用事足してくれてもいいじゃないの…もう本
当に勝手なんだから…」
ブツブツ文句を言いながら、妻はエプロンを外して裏の吉田さん宅に回覧板を
届けに出て行きました。
吉田さん夫妻は、私達と同世代で大学生の息子と3人で暮らして居る家族です。
午後4時過ぎに出掛けた妻は、たかが回覧板を届けに行くのに30分経っても1時
間経っても戻って来ません。
そうして、やっと戻ったのが午後7時近くでした。
私「随分と遅いじゃないか、たかが回覧板届けるのに何時間掛かってるんだよ。
」
眞澄「ごめんなさいね、吉田さん奥さん一人でたまに上がってお茶でもって言う
もんだから、ついつい話し込んでしまって…急いで夕飯作るわ。」
私「全く女同士ってのは、どうしてこうも長話がすきなのかね、男には理解出来
ないよ。とにかく腹減ったから急いで頼むぞ。」
そう言って、キッチンに立つ妻の後ろ姿を見ると、黒いストッキングの太腿から
ふくらはぎに掛けて大きく伝染していました。
私「どうしたの?ストッキングの後ろが伝染してるけど…」
眞澄「…えっ、本当?いやだわ…吉田さん家の家具に引っ掛けちゃったの
ね……」
私「…あっ、そう。」
おかしなところを引っ掛けるもんだなぁと思い、よく見ると妻の髪形も少し乱れ
ているような気がしました。
その2日後だったと思いますが、会社の帰りに地下鉄の駅でバッタリ吉田さんの
奥さんに会いました。
私「先日は、家のやつがすっかりお邪魔をしちゃってすいませんでした。」
吉田さん「…えっ、奥さんがですか?…いつ、いつですの?」
私「…いや、この前の土曜日の夕方に妻が回覧板を届けにすっかり上がり込ん
じゃって…」
吉田さん「…あのぉ、土曜日は主人と一緒に外出してましたのよ…確か家に戻っ
たのが、9時頃だったかしら、夕方なら息子の友達が何人か遊びに来てたはずで
すけど…」
私「…あっ、そうですか…私の聞き間違えですね、きっと…すいません…」
吉田さんの奥さんは、怪訝そうに私を見ていました…。
妻が回覧板を届けに行った約3時間もの間の相手は、吉田さんの奥さんではな
かったのです……
何があったのかは、読者のみなさんの想像にお任せしたいと思います……。
(……続く。)
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