Chapter XⅢ(合鍵はもうひとつ・・・1)
この駅から乗り換えて1駅先に学校がある。ホームの端にある立食いで
朝食の月見そば。昨日の夜の宴会、タクシー、美佳の部屋、今朝の電車と、
一日4本のイベントにへとへとなので、玉子2個にしてもらう。
通勤ラッシュとは逆方向なのでガラガラの電車が着く頃が、ちょうど
みんなの通学時間帯。ホームの両側に同時に電車が入り、逆方向から来た
比呂美ちゃんと、エスカレーターでばったり。そういえば、この子の合鍵も
作ったんだった!
「お早うございます!いつもこの電車なんですか?」と元気いい声が、
寝不足の頭に良い刺激となって響いてくる。「いやぁ、昨日、あの後友達と
飲んじゃって・・・帰ってないんだよね」というと、「オールですかぁ・・・!ス
ゴイですねぇ。今日の授業、大丈夫ですかぁ?」とキラキラする目で
見つめてくる。
「でも、今日の午後は、キャリアコンサルタントの時間でしょ?そこで
休憩できそうだから大丈夫じゃない?」「そうですね。簿記の時間は
寝てられないですよねぇ、フフッ」と笑うと、なんともいえず可愛らしい。
でも、比呂美ちゃん。今日も相変わらずミニスカートにブーツだけど、
その中身、いずれは・・・・いただいちゃうことになるんだよ!と
エスカレーターの一段下から、見えないお尻のカーブを想像しながら
上りきった。
婚約者がいるんだから、おいそれとは誘いに乗ってきそうもないので、
「昨日、楽しかったね!幹事、ご苦労様でした!」と言うと、
「そんな、大したことしてませんよ。お店決めて、お金集めただけですか
ら・・・」
「でも、店選びって大変じゃない。普段自分が行く店とかじゃないしさ・・・」
「そうですね。でもカレシとでも、ああいう居酒屋ばっかりですよ。」
「へぇー、そうなんだ!オレだったら、比呂美ちゃんみたいなステキな子
だったら、窓から夜景が見えて、ちょっと小洒落たバーとか、連れてって
あげたいなぁ!」
「そういう店、いいですよね。オトナって感じで・・・カレシはスーツ着て
働いてる人じゃないんで、そういう雰囲気の店は一度も行ったこと
ないですよ。ステキなんだろうなァ・・・」と乗ってきた。
「じゃあ、この駅の横にあるホテルのラウンジ、ちょうどいい感じだよ。
行ってみたら?」と誘いをかけてみる。「でも高そうだから、クラスの人
たちを誘っても、誰も一緒に行ってくれないですよ」と諦め顔で言って
くる。
「だったら、オレが、比呂美ちゃんといつも御弁当食べてる3人に聞いて
みるよ!」「えーっ、でも難しそう・・・期待して行けなかったらショック
ですよぉ!」ともう行ってみたいオーラがバンバン出てきたのを逃がす
わけにはいかない。
「そうだねえ、もし、説得に失敗したら、行けないのも可哀想だよなぁ・・・
じゃあ、最悪その時は、オレが責任もって保護者でついてってオゴッて
あげるから、今夜、予定しておいてね!」「えっ!ホントですかぁ!
でも、いいんですか?」「いいのいいの!昨日の幹事のご褒美だと思えば
いいじゃん!」
とおおかた話がまとまりかけた頃に学校に着いた。もちろん、他の友達は
行かないように上手に説得するからさ。心の鍵は開いたから、あとは部屋の
鍵も使えそうだねぇ・・・
教室に入ると、授業まであと15分。いつもギリギリ組の稚華美は、もう
来てるみたいで、席にバッグが置いてある。きっと上の階の自販機で
コーヒータイムだろうなぁ。
あっ、そういえば、ローター前後二本挿しで置き去りにしてきた美佳、
起きてるかなぁ、解いて来れるのかなぁ?感じちゃってイキまくって
遅刻しないといいんだけど・・・
徐々に皆が教室に入ってくる。うちの御弁当チームもぼちぼち来てる。
「美佳ちゃん、今日休むってメール来たよー」って会話が聞こえた。
あーあ、ズル休みじゃん!
那央が2分前に稚華美と教室に入ってくる。オレの方をチラ見して、
稚華美と顔を見合わせてクスッと笑ってる。
チャイムとほぼ同時に奈穂美が入ってきた。今日の下着は「丸の内OLの
セクシーパンティ!」何色が入ってたのかな?Tバックかなあ・・・なんて
ちょっと気になっちゃうなあ・・・
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