(罰ゲームなのに・・・1)
美佳のマンションから移動し、待ち合わせの駅に急ぐ。美佳と楽しみ過ぎ
て、かなりギリギリになりそうな時間帯になってしまった。
待ち合わせの駅は、このエリア一番のターミナルから5駅離れていて、最も
混み合うし、痴漢被害の噂が絶えない駅で有名なところ。
一旦改札を出た所が待ち合わせ場所。北口に奈穂美、南口に稚華美を待たせ
てある。稚華美は、いつも那央とセットなので、奈穂美と一緒の待ち合わせ
ではまずいので分けておいた。電車に乗ったら偶然一緒という演出にする。
まず稚華美のところへ行く。だいたい想像はついているようで、潔く短めの
千鳥格子柄のフレアスカートに黒のタイツ。
「何していくか、分かってる?」「はあ、大体の予想はしてますけど、満員
電車にこのまま乗せられるんですよね・・・」とちょっと不機嫌そうに答える。
「賢いねぇ・・・じゃあ、先頭は女性専用だから、前から2両目のところで待っ
てな!どのタイミングで乗るのかは、また教えるから」と言いつけてホーム
に行かせる。
「あれっ、一緒に来ないんですか?」というので、「後で合流するから、ホ
ームで待ってろよ!」と言い残し、奈穂美の待つ北口に行く。
階段を下りてすぐのところにポツンと立っている奈穂美を発見。ひょっとし
て気づいてパンツで来ないかと思っていたが、自分が住んでるエリア以外は
詳しくなさそうで、ここが痴漢の巣とは知らないみたいだ。
ゆったりしたシルエットの前あきワンピに黒の柄スト、黒のカーディガンを
羽織っている。「おはよう!」と声かけると、ビックリしたようにこっちに
気づいた。
「こんなに早く、こんな駅まで来て、何するんですか?」と聞いてくるの
で、「いや、一緒に電車で授業に行くだけだよ。ただ、昨日俺が帰ってから
の話も聞きたいしね」と答える。
「じゃあ、なんでこの駅なんですか?住んでる駅じゃないですよね?」「昨
日、あれから連れと飲んでて、そのままこの近くに泊まったからね。着るも
のも借りてきたし・・・」と満員電車のことに触れないように階段を上がる。
切符を買い、一緒にホームに下りる。ホームの中程に行こうとすると、「こ
の路線、混んでるんですね・・・私、混んでる電車嫌いなんですよ、前に言いま
したよね?」「そうだっけ?でもそろそろ乗らないと授業に遅刻ちゃうか
ら」
「じゃあ、女性車両に乗ってっていいですか?」とアホなことを言い出す。
「はあん?オレが乗れないじゃんか、別々に乗ったら話できんでしょ!」と
手を引いて2両目の先頭に並ばせる。わざわざ女性専用車両の隣に乗る女は
少ない。
後ろに何人もそれらしい男達が並びはじめた。稚華美に、「次の電車、2両
目の先頭から乗れ」とメールすると、2つ先のドアあたりで待っていたよう
で、フレアミニを翻しながら移動してくるが、その後ろからゾロゾロ追いか
けてくる怪しい影が見える。
電車が着いてドアが開く。あと4・5人乗ればぎゅうぎゅうになりそうなス
ペースの真ん中に奈穂美の腰を押しながら乗せていくと、その背後と左右に
3人で囲むように密着して押し込む軍団が来る。その勢いに任せると、あと
から来る稚華美と離れちゃう。
正面から奈穂美を抱きかかえるように体を一回転させてながら入り口方向に
俺の体を入れかれる。押し込んだ3人とすれ違うような形になり、奈穂美の
お尻を差し出す形になったので、奈穂美をもう半回転させて、正面を譲って
やることにする。
すると、もう誰も乗れないくらいの入り口から稚華美が押されてくる。
その後ろから、スクラムを組むように稚華美の体を後ろ向きに押し込んで、
さっきの怪しい軍団が5人も乗り込んでくる。体を密着されながら押し込ま
れる稚華美のスカートは左右の男の手でまくりあげられ、タイツ越しにもう
お尻を撫でられている状態でオレのほうにくっついてきた。
ドアがなかなか閉まらない。原因は、ここのドアで人があふれてて、つっか
えてるからに間違いない。オレが体を横向きにして、左手で奈穂美のスカー
トの布地、右手に稚華美のお尻の割れ目が押し付けられてる感覚がある。
二人は偶然にも背中合わせになっちゃったんで、お互い気づかないまま・・・
やっとこさドアが閉まり、「アンッ、ヤダッ」と呟くように奈穂美の悲鳴が
聞こえたが、走り出す電車の『ガタン』と揺れた音に消され、囲んでる男に
しか聞こえない。ここから20分。この先、降りる人は終着駅までいない。
二人とも、どこまで声を漏らさずに頑張れるか・・・
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