「はい…」
少年は返事をし、はにかみながらうなずいた。
里子はたまらなく嬉しかった。
しかし、「はい」と答えたものの、少年がおどおどとした視線を唇に向けているだけなのを見て、里子はハッとした。
(キス、したことないんだものね…)
子供に口づけを求めた里子も動揺していたが、それ以上に少年も動揺していた。里子は少年の顔をはさんでいた手を離し、首にまわした。
「こうするのよ…」
ネッキングした少年を優しく抱き寄せると、顔をずらせてそのやや厚めの唇を半開きにすると、少年がゆっくり唇を近づけてきた。
里子は軽く唇を突き出すとチュゥッと少年の唇に口づけした。
「…どう?」
「なんか…」
「なんか?なぁに?」
笑みを浮かべながら里子がたずねる。
「ドキドキしてきました」
「ふふ…可愛い…」
「もう一度しましょ?」
「はい」
(…驚いちゃうかしら…)
もう里子の自制心は消えかかっていた。
里子はおもむろに少年の首にまわした手に軽く力をこめると、少年の頭を気持ち強めにひきよせた。
「ん、ふ……んん」
再び少年の唇に吸いつくと、ぬめった舌を尖らせると閉じた唇をこじ開け舌を侵入させた。
「んんっ!ん」
少年は何をされているのかわからず短く呻くと、歯を食いしばってしまった。
里子は慌てず少年の歯茎に舌を這わせ、そっと粘膜を刺激する。
「はぅ…む、んっん」
すると少年の歯が口腔を這う里子の舌が送り込む感覚に力を失ったのか、舌が少年の口の中をを刺激しだすと、力が抜けてきたのか口を少しずつ開いていく。
その隙を逃さず里子はそっと舌を潜り込ませた。少年は抵抗しなかった。
「はぁ…んふ…ん、ん」
里子は隙間からソッと舌を侵入させると、少年の舌をそっと絡ませた。
「ふ…むぅ、ん、んんん…」
少年は初めて体験する大人のキスに驚いていた。だがすぐにその幼い舌を人妻のとろけるような熱い舌を迎え入れ、絡ませて応じてきた。
「はぁぁ…ん、ん、んん、うぅぅん…」
二人は夢中で舌を吸いあい、濃厚なキスを交わしていった。
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