◆3P計画②
苦笑いの彼の口元から溢れる真っ白な歯が、
彼を清潔で精悍な印象の男に映し出していた。
久しぶりに再会した彼の顔は、真っ黒く日焼けをしていた。
仕事でクライアント先を走り回っている結果だろう‥
「どうなの最近‥
仕事の方は‥?
かなり大変みたいだけど‥?」
「はい、もう最悪です‥!
余り詳しいお話はできないのですが、
うちが取引している企業の大半が外資系の株を保有していまして、
今回の株の暴落で、国内企業の株への影響もバブル以降の最悪な落ち込み方なんです。
うちの社内でも、
今はもう、リストラの噂話ばかりが持ちきりで‥
誰が首切られただとか、次は誰の番だとか、そんな話ばっかりですよ‥!」
「そうかあ‥
大変なのは今は何処も同じみたいだけど、上田君の所は特に大変そうなんだな‥余り、無理しない様に気をつけないと‥」
「はい‥!
お気を使って頂きありがとうございます‥!
‥‥‥‥‥‥‥ 青山さん‥
はい、これ‥
お約束のDVD‥!」
そう言うと彼は、
徐に鞄の中からケースに入った二枚のDVDを取りだし、
私の前に差し出した。」
「ぁ、ああ‥ありがとう‥!
色々と手間かけたみたいですまなかったね!」
「いえいえ、とんでもないですよこれ位の事‥!
そんなに気を使わないで下さい‥
お礼を言わなきゃならないのは私の方なんですから‥!
‥‥‥‥‥‥‥ 青山さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいなんですよ‥あんな素敵な奥様との関係をお許し頂いて、私の提案にまで乗って頂いたのですから‥」
「それはこっちも同じさ‥!
私の方こそ君のお陰で、
前の生活とは比べ物にならない位、
刺激的な夜を過ごせる様になったんだから‥!
‥‥‥‥‥‥‥ それに‥
私に接する良子の態度が前に比べ、
凄く優しくなったんだよ‥!
私の方こそ、君には本当、感謝しているよ‥!」
「そうですか‥!
青山さんにそう言って貰えると私も本当に嬉しいです‥!」
「ところでこれ‥
二枚有るけど‥?」
「あ、はい‥!
一枚が原盤のDVDで、もう一枚が、
編集したDVDです‥!」
「あ、、そう‥!
君の分は‥?
‥‥‥‥‥ コビーしなかったの‥?」
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