◆非通知着信⑤
妻の裏切りと、
浮気を見抜けなかった自分自身のアホさ加減に腹立たしさを覚えてしまう。
今妻は、この男に対してどう言う気持ちでいるのかが凄く気になり始めた‥
思わず私は、男に対して強い口調で言葉を吐き捨ててしまった。
「女房とは、何時から付き合っているんだ‥!!
‥‥‥‥‥ ちゃんと答えろ!」
「 ‥‥‥‥‥ 」
「もしもし‥!もしもし‥!」
「 ‥‥‥‥‥ 」
男からの応答が全く返ってこなくなってしまった。
しまった‥!!
男を怒らせてしまったか‥?
私は、思わず怒鳴ってしまった事で、
男の気分を損ね電話を切られては、
真相も、妻の気持ちも聞き出す事が出来なくなってしまう状況で有る事に改めて気付いた。
「‥もしもし‥!」
私は、昂った感情を抑えながら、今度は問い掛ける様な口調で男に呼び掛けてみた。
そうすると、
一呼吸置いて、男の声が静かに返ってきた。
「 ‥‥‥‥ 青山さん‥
そう感情的にならないで下さい。
あなたがそんなだと、こちらの提案も何も、お話し出来ないですよ。
‥‥‥‥‥ あなたのお力にもなれませんよ‥!
‥‥‥‥‥ 何なら‥このまま電話、切ってしまいましょうか‥?」
「い‥いやっ‥
判った‥!
判ったからちょっと待ってくれ‥!
‥‥‥‥‥ 怒鳴ってしまって悪かった‥!
‥‥‥‥‥ もう、感情的にはならない様にするから、妻との全ての状況と、
君の提案とやらを聞かせて貰えないか‥?」
「‥そうですか…
分かりました。
青山さんにそう言って頂けるのなら、
お話しを続けさせて貰いますよ‥!」
自分自身の感情は取り敢えず後回しだ‥
とにかく今は二人の現在の状況を知る事が先決なのだ‥!
「先ず、奥さんとの関係ですが‥
お付き合いを始めたのは、三ヶ月程前からになります‥
‥‥‥‥‥ そして‥
今‥奥さんは、私に惚れ始めています‥ ‥‥‥‥‥ それでも‥
私から言うのも変ですが、
良子さんがあなたの事を愛している事だけは確信しております‥」
※元投稿はこちら >>