◆非通知着信②
「‥もしもし‥!」
「 ‥‥‥‥ ………… 青山さん‥?」
「 …‥?
そうですが‥?」
「 ‥‥‥‥‥ 」
「‥もしもし‥?」
「 ‥‥‥‥‥ 留守電‥聴いて頂けました‥?」
「留守電‥?
あっ…!
いや‥聴いてないです‥!」
しまった‥!
留守電のチェックをするの、うっかり忘れてた‥!
私は、忙しさの余り留守電の確認をしていなかった事を思いだし、
てっきり、仕事関係の大切な伝言が残されていたのだと思い一瞬焦ってしまっていた。
「‥そうですか‥
まだお聴きじゃなかったですか‥!」
「はい‥すみません ‥‥‥‥‥ あのっ‥失礼ですがどなた様でしょう‥?」
「では‥また、後程お電話しますので‥
留守電聴いてみて下さい‥!」
「えっ‥?あっ‥!もしもし‥もしもし‥?」
男はそう言い残すと、私の問いには応えず、一方的に電話を切ってしまった。
何だ‥?
何か無礼な奴だな‥
私はそう思いながら、留守電に残されたメッセージを急いで確認してみる事にした。
留守電には、二件のメッセージが録音されていた。
一件目のメッセージを確認する‥
「‥あっ‥ん‥ぁん‥ああ-っ‥あっ‥ぃぃ-‥ああ-‥」
街の騒音の中では、はっきりと聞き取れなかったが、10秒程で切れてしまった録音には、悶え喘ぐ女の声が残されていた‥
何だ‥一体‥?
何か、如何わしいエロサイトか何かの宣伝か‥?
私の頭の中では、
混乱が始まっていた。
取り敢えず、もう少し静かな場所で聴いてみようと思い、
私は本通りを外れ、人通りの少ないビルの谷間へと場所を移動し、
二件目のメッセージを聴いてみる事にした。
二件目のメッセージ‥
「‥ああ-‥ぃぃ-‥も、もっと‥あっ‥突いてぇー‥あっ‥あっ‥か、かずや-‥す、好きよ-‥あっあっ‥ああー」
今度は、20秒程の間喘ぎ狂う女の声が、はっきりと聞き取れた。
そして‥
最初の留守電では感じなかったその喘ぎ声が‥
何処と無く、妻の声に似ている様に感じた。
嫌な予感がしていた‥
その時だ‥!
再び携帯が鳴った‥
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