◆迷いと不安②
「なるほど…
‥‥‥ 青山さんの今の気持ち‥良く分かります。
良子さんの急激な変化を目の当たりにしているのですから‥
でもね青山さん…
‥‥‥ 理解っていて欲しいのですが……
‥‥‥ 私は、
良子さんを只の肉体奴隷の様な女性なんかに調教しようとはこれっぽっちも思っていないんですよ‥ ‥‥‥ 私が敢えて言う必要なんか無い事ですが、
良子さんは青山さんの奥さんです‥
‥‥‥ そして青山さんは良子さんを愛していますよね‥
そして良子さんも青山さんの事を心から愛していると思います。
でも‥それなら何故良子さんは私と浮気をしているのでしょうか‥?
‥‥‥ 只の性的欲求不満からだけで私との関係を求めているのでしょうか…?
あなたにバレる危険性を犯してまで…?」
私は、電話の向こうの彼の言葉を無言で聞いていた。
「先日もお話したと思うのですが……
良子さんは私と最後の一線を越える瞬間まで、本当に必死で自分にブレーキを掛けていました。
それはきっと青山さんに対しての罪悪感がそうさせていたのだと思います。
でも、
彼女の気持ちはそれだけではなかったのだと私は思います。」
この時の私は、
今の彼が何を想い、何を言おうとしているのか、まだ理解をする事が出来ないでいた。
「良子さんが最後の最後まで自分を抑えていたのは‥
それはあなた‥
青山さんの事を本当に愛しているからなんですよ‥!
‥‥‥ でも、青山さん…
最近のあなたに
そんな良子さんの事を一人の女性として観てあげ‥
綺麗だとか、
愛している、とかの言葉を掛けてあげたり、
セックスの時に素敵だとか、愛してるだとかの言葉で接してあげた事が有りましたでしょうか……?」
私は、
彼の言ったその言葉に〃ハッ〃となった。
妻の思いに気づけなかった自分にその時気がついたのだった。
「それでも良子さんは別にあなたにも家庭にも不満を感じていた訳では無いと思うんです。
多くの家庭の主婦と同じようにそれが当たり前の生活だと思っていたからです。
でも彼女は私と出会ってしまった……!そして私は、
彼女と一緒にいる間中‥
彼女の手を握り、
彼女の瞳を見つめ、彼女の全てを褒め称え、
そして彼女を優しく抱きしめてあげました。
そして彼女は………思い出したのです‥
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