◆綾子の裸体②
私は公園に向かう道すがら、
何時しか妻の事を考えていた。
妻は今頃‥
上田君と燃える様な激しいセックスをしているだろう‥
特に、今回は上田君の都合で日程を伸ばされ、
私も今日の事を考え月曜日以降、敢えて妻の事を抱かないで我慢していたので、多分、妻はかなりの欲求を溜め込んでいた事と思う‥
其ゆえに今日の妻の乱れ様は、
かなりなものになるに違いない。
その二人の乱行振りと、
彼の前でしか見せない妻の恥態は‥
今頃、確りと隠し撮りされている事だろう‥
その事を考えると‥嫉妬と興奮の渦が、躰の奥底から湧き上がってくる‥
「どうしたの‥?」
突然の綾子の声で、私は〃ハッ〃となり我に返った。
「‥ぇ‥いや‥ッ
別にどうもしてないよ‥!」
「うそ‥!
今、何か考え事してたでしょう‥?」
「‥何で‥?」
「だって‥
心‥此処に有らず‥って顔してたわよ‥!」
「‥‥‥‥‥」
「やっぱり‥!
‥‥‥‥‥‥ ひょっとして‥
お姉ちゃんの事、考えてたの‥?」
「ぁ‥ああ~!‥」
「やっぱり気になる‥?
お姉ちゃんの事?」
「まぁね‥!
気にならないって言ったら嘘になる‥」
「そうよねぇ‥
お姉ちゃんの事‥
愛しているんだもん‥気にならない筈がないわよね‥!」
「‥‥‥‥‥‥」
私は何も答えられずにいた。
私達は井の頭公園に着くと、
そのまま溜め池を囲むように作られた園内の遊歩道を散歩する事にした。
土曜の午後とあって家族連れや、カップル等、多くの人々が散歩を楽しんでいる。
広場では路上ライブをする若者やビートダンスを楽しむ若者達で賑わっている。
遊歩道の両脇には青々と繁った樹木が遊歩道に影を作り、
所々には木製のベンチが備え付けられている。
金木犀の花が放つ香りが秋の訪れを知らせてくれる。
遊歩道を奥へと進むにつれ段々と人影は無くなり、
気づいた時には周りは綾子と私の二人だけになっていた。
私は綾子を促し近くのベンチに腰を降ろした。
綾子が再び問いかけてきた。
「今日のお姉ちゃんの外出が気になっているの‥?」
「‥ん‥ぁ、ああ‥ まぁね‥!」
何も知らないで私の事を本気で心配してくれている綾子に、この時私は胸の奥が締め付けられる様な痛みを覚えていた。
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