◆約束の日⑦
綾子に声を掛ける‥
「大丈夫か‥?
‥‥‥‥‥‥‥ こいつら警察に突き出そうか‥?」
綾子は俯いたまま、小さく顔を左右に振っている。
「良いのか‥
何もしないで‥?」
「‥‥うん!‥‥」
小さく頷き答える綾子…
「じゃあ、次の駅で降りるよ‥!」
綾子は小さく頷いた‥
電車がホームに入りドアが開くと、私達は下車する人々の流れに続き電車を降り、
年甲斐もなく手を繋いだまま、
空いている車両を選ぶと、再び電車に飛び乗った。
目的地迄はあと二駅の所まで来ていたので、
それから間もなくして電車は吉祥寺駅に着いた。
改札を抜けた私達は、公園通りの商店街を歩く‥
今日は本当にいい天気だ‥
午後の陽射しが秋緑の街並みを眩しく照らしている‥
清々しい初秋の風が私達の躰を通り過ぎていく‥
実に気持ちの良い午後だ‥
綾子の左腕は、
先程からずっと私の右腕に絡まったままでいた‥
―次話へ続く―
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