◆綾子の告白③
「ねぇ‥ジロー兄‥この前‥‥‥‥聴いたの‥?」
綾子は視線を落とし俯いている。
顔が赤く高揚して見える。
私はその質問の意味を直ぐに理解する事が出来た。
しかし、とっさの事で何と答えて良いのやら直ぐには返事が出来ないでいた。
「ジロー兄‥聴いたんでしょう‥?」
俯いたまま、
か細い声で綾子が再度尋ねてくる。
そんな綾子を見ていると意地らしく思え私は正直に答える事にした。
「うん‥聴いた‥!‥‥ごめん‥!」
「‥やっぱり‥‥
聴かれちゃってたのかぁ‥!
‥‥‥‥‥‥‥ 何で‥あんな事、したの‥?」
「 ‥‥‥‥‥ 」
「お願い‥答えて‥!」
「綾ちゃんの声を聴いてたら、堪らなくなったから‥
あんな事して悪かったと思ってる‥!
ごめん‥!」
「 ‥‥‥‥‥ 良いよ‥
謝らなくて‥!
それだけ‥?
他に理由とかは‥?有る‥?」
「うん、ある‥!」
「何?‥教えて!」
俯いていた綾子が顔を上げて私を見つめる。
「あの日、綾ちゃん ‥‥‥‥‥‥ 覗いてたろう‥?」
「えッ‥?
‥‥‥‥‥‥」
「俺達のセックス‥観てたよね‥?」
「 ‥‥‥‥‥ 気付いてたんだ‥? ‥‥‥‥‥‥ ごめんなさい‥!」
綾子は一瞬、驚いた表情を浮かべ、そして再び顔を伏せてしまった。
「そんなに気にしなくて良いよ‥!
俺だって綾ちゃんにあんな事したんだから‥!
何で覗いたの‥?」
「 ‥‥‥‥‥ 」
「言ってくれないかな‥?」
「声が‥
声が聴こえたの‥
お姉ちゃんの‥!
だからつい覗いてみたくなって‥」
「そうかぁ‥
聴こえてたのか~‥それで覗いたんだ‥ ‥‥‥‥‥‥ 他に理由とか無かったの‥?」
私は綾子に飲ませた媚薬の効果が気になっていたのだ。
「んーッ‥?
良く判んないんだけど‥
声を聴いたら急に身体が熱くなってきたの‥!
それで何だか変な気分になって‥!」
やっぱり媚薬の効果は有ったのだ。
これで綾子にも媚薬が効く事がはっきりとした。
「そうかぁ‥
それで覗いたんだ‥うん、判った‥!
ありがとう話してくれて‥嬉しいよ!」
そんな話をしている間に私達は目的の店に到着していた。
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