母の下半身をおおっているガードルには伸縮性もなく、手を滑り込ませる事もできません。
もちろん触られる嫌悪感はあったでしょうが、この前のような絶望感はもうなく、その事が余裕を生み、元の勝ち気さが戻った母は触る事すら許さない!というはっきりとした態度を示し始めたそうです。
「これ以上は無理かぁ…。でもあの手を使うのはなぁ…」
丸さんはそう思ったものの他に手立てもなく、仕方なく最後の手段に出る事を決めたそうです。
初めて母に触れてから3ヶ月が経とうとした金曜日の朝、いつものように通勤ラッシュに揉まれる母の後ろに丸さんはいました。
そして決まっているかのようなお尻へのタッチ。慣れたようにそれを払いのける母の手。
しかしその日はすぐに手は退いていきました。
勝ち誇ったような、でも安堵した母の横顔…。
そのまま電車は降車駅へ。
扉が開き、ホームへ流れ出る人波に乗ろうとした瞬間でした。母の上着のポケットに何かが押し込まれました。
その違和感は感じたものの、確認する余裕などあるわけがなく母はホームに押し出される人波にのまれていきました…。
翌週の月曜日、いつもの時間に母は現れなかったそうです。次の日も、その次の日も母の姿はありません。
「逆効果だったか…」
そう思い始めた木曜日の朝、いつもの時刻ぎりぎりにホームに駆け込んできた女性がいました。母です。
さすがに丸さんも虚をつかれ、真後ろのポジションを確保できないまま電車に乗り込むしかありませんでした。それでも1駅ごとの乗客の動きに合わせてじりじりと近づき、4つ目の駅を通過するころには真後ろにたどり着き、はやる気持ちを押さえ母を慎重に観察しはじめました。
その日、母の服装はいつもと変わらないものの後ろからでもわかるぐらい暗く、よどんだ雰囲気を漂わせていたそうです。
そして、真上から見下ろすスカートに包まれたその部分は明らかに以前ように丸みを帯びていました…。
丸さんは細心の注意を払いながら挨拶をするかのように手の甲をそっとお尻に押し付けます。瞬間『ビリリッ』っと母の身体が硬直します。よほど意識していたのでしょう…。一方、手の甲に伝わってきた感触は柔らかく、押し返されそうな弾力、そして母の体温。それを感じた時、あのポケットに押し込んだ物が1人の女性をおとしめた事を確信したんだそうです。
その『物』とは封筒。その中身…そこには3枚の写真と手紙が1枚。
写真はそれぞれ、ホームで電車を待つ立ち姿の母。目をつぶって何かに耐えている母の横顔。手に犯されている股関を真下から見上げたもの。
そして手紙にはこう書かれていました。
「少しの我慢であなたの家庭と職場は守られます。いつもの時刻にガードルは履かずにお越し下さい」
と……。
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