前回の続きです。長くなりますがお付き合いください。
中川「あいつ、三和でお前の母ちゃんと偶然会ったらしくてさ・・・」
僕「うん、知ってる。」
まず、祐太がうちの母と会ったのは本当に偶然の出来事でした。
どうやら、最初からうちの母を狙っていたわけではなかったようです。
中川「それで、久しぶりの再会に話が盛り上がったみたいでさあ、
飲みに行こうってことになったんだって。」
僕「ああ、知ってる。あいつから電話があったから。」
中川「その電話で、お前も誘われたのに、行かないって言ったんだろ?」
僕「だってよ、親と飲みに行くなんて恥ずかしいじゃん!」
中川「まあ、そうだけどよ・・・」
突然、中川の歯切れが悪くなりました。
僕「何?何だよ?」
中川「いや、あの時、お前が行ってれば・・・」
僕「・・・・・・・」
中川の言う通りです。返す言葉がありません。
僕は、中川に話の続きをしろ・・・と、目で合図しました。
中川「で、居酒屋に入ったらしいんだけど、最初は祐太もそんなつもりは
まったくなくて、ただ普通に飲んでたんだって。」
僕「ああ。」
中川の話に、僕はただ相槌を打って聞き入ります。
でも、内心はかなり動揺していました。
膝が震えて止まりません。
中川「その飲んでる途中、お前の母ちゃんが上に着てたカーディガンを
暑くて脱いだらしいのな?」
僕「う、うん。」
確かに、うちの母は日焼け防止のために真夏でも薄手の長袖を羽織って
外出します。あの日は、薄い茶色のカーディガンを着ていました。
中川「それで、その下に着てた服が、かなり無防備っていうか・・・」
僕「無防備?」
中川「いや、だから、めちゃくちゃ透てたらしいんだよ。」
僕「透けてた?透けてたって何が?」
中川「ブラ・・・だろ。あいつ、それ見て興奮しちゃったみたいで。」
僕「おいおい、中学生のガキじゃあるまいし、ブラが透けてるぐらいで
興奮なんかするかよ!」
洋服から透けて見えるブラジャー。
真夏の暑い時期にはよく見かける光景です。珍しくもありません。
そんな事ぐらいでは、今時の中学生は興奮もしないでしょう。
でも、祐太は、母のその姿に欲情したというのです。
それこそが、祐太がうちの母を女として意識した原因だったそうです。
こんな幼稚な理由があるでしょうか・・・。
呆れ返る僕に、中川がさらに続けます。
中川「まあ、お前の母ちゃん、もともと胸がデカいからな・・・」
僕「はあ!?」
中川「あ、悪い、悪い。」
それを聞いて、僕は寒気がしました。
中川にしてみれば、つい弾みで出てしまった言葉だったのでしょうが、
裏を返せば、こいつも母をそういう目で見てたということです。
高校時代、うちの家へ遊びに来た時も、祐太やこの中川は、母のことを
やらしい目で見ていたのか・・・と疑ってしまいます。
そもそも僕と仲良くしていたのも母が目当てだったのかもしれません。
祐太も、この中川も、もう友達じゃない。そう思いました。
本当はこうして同じ空間にいることさえ嫌でした。
でも、中川は、あの夜、祐太と母の間で何が起こったかを知ってます。
それを聞くために、僕は怒りを堪え、中川に話の続きを促しました。
僕「それで?」
中川「あ、それで祐太のやつ、お前の母ちゃんの胸が気になりだして、
そこからは、ずっと胸ばっかり見てたって言ってたな。」
中川の話では、祐太はあからさまに胸元を覗き込んでいたそうですが、
母はその視線にまったく気づいていなかったと言っていました。
それも当然ですよね。
母にしてみれば、祐太は息子の友達です。
まさか、その息子の友達にそんなやらしい目で見られるなんて思っても
いないでしょうから・・・。
実際に見たわけではありませんが、その母に対する祐太の行為が鮮明に
頭の中に思い浮かびました。
ただ洋服越しに胸を見られただけで、普通に考えれば些細なことです。
街で胸の大きな女性を見かければ、男なら誰だって見てしまいますから
本来は気に止めるような事ではありません。
うちの母も胸は結構大きいですから、多少なりとも注目を集めてるのは
容易に想像がつきます。
でも、それは、見ず知らずの男だから許せるのです。
気にも止めないでいられるのです。
だから、僕にはどうしても祐太の行為が許せませんでした。
普通、友達の母親をそんな風に見るでしょうか?
確かに若いから性欲も旺盛だし、女に興味があるのも理解できます。
でも、普通は友達の母親という時点で、性の対象から外れるでしょう?
それなのに、祐太は・・・。
僕は無意識のうちに、テーブルの下で拳を握っていました。
でも、そんな僕とは対照的に、中川は酒が入っているせいでしょうか、
どんどん口調が軽やかになっていきます。
さっきまでは、言い訳がましく言葉を選びながら話していたくせに、
今やまるで友達のエッチな武勇伝を話すかのような口調です。
中川「でもさぁ、祐太のヤツもさすがに友達の母ちゃんに手を出したら
ヤバいってのはわかってるから、その居酒屋では何もしなかった
らしいよ!」
僕「・・・・・」
中川「それで、9時頃に、お前の母ちゃんが時計見て、
あら、もうこんな時間、そろそろ帰らなきゃ・・・って
言ったんだけど、あいつ、それ聞いて、このまま帰しちゃうのは
勿体ねえって思ったみたいでさぁ・・・」
あの夜、母は帰ると告げたそうです。
それを聞いて、僕はなぜか一瞬安心してしまいました。
祐太さえ変な気を起こさなければ、こんな事にはならなかった・・・。
そう思うと、ほんの一瞬ですが、母を正当化できました。
そのまま母が帰ってきてくれていれば、どんなに幸せだったでしょう。
いや、相手が祐太じゃなければ、母はいつもの母のままで僕たちの家に
帰って来れたのです。
中川「それで、帰ろうとするお前の母ちゃんを強引に引き止めてさぁ、
カラオケに誘ったんだって!」
僕「カラオケに?」
中川「おお。今度は僕がご馳走しますから・・・とか言ってよ!
最初は断られたらしいんだけど、あいつ、ナンパ得意じゃん!
息子の友達と親睦を深めるのも母親の役目っスよぉ・・・とか
うまいこと言って、結局はOKさせたらしい。」
僕「・・・・・」
中川「まあ、相手が祐太じゃ、お前の母ちゃんも警戒してねぇだろうし、
狙われてるのも知らねぇで、安心してOKしたんだろうな。」
母が祐太とカラオケボックスに・・・。初耳でした。
中川の話によって、徐々にあの夜の出来事が明るみになってきました。
続きは、また明日、書き込みます。
相当、長くなりますがお付き合いください。
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