友美は熟睡できないまま朝を迎えた。
徹に犯されたあの日からゆっくり睡眠をとれた日はなく少しやつれた顔が余計に艶っぽい。
普段通り夕べの残り物で朝食を作り、夫と宏樹を起こす。
『ごめんね。なんだか最近お母さん体調悪くて…』
申し訳なさそうに友美が言う。
『大丈夫なのか?病院に行ってきたほうがいいんじゃないか?もう若くはないんだからな。』
何気ない夫との会話なのだが…息子の友達に犯され気をやってしまった罪悪感。そして今日も辱しめられ言いなりになってしまうであろう罪悪感で目を合わせることができなかった。
どこかおかしい…違和感が家族の間にできていた。
宏樹もそれは感じていたがさほど気にすることなく家を出て学校に向かった。
旦那と宏樹が家を出たのを見計らったように徹からのメールが届いた。
[もうみんな家を出たか?昨日おばさんが言ったこと忘れてないよな?自分から言ったんだからな。分かってるのか?]
(あぁ…逃げられない…仕方ないのよ。あなた、宏樹許して。こうするしか…)
誰にも相談できない友美にはもう徹の言いなりにするしか他に家庭を守る手段はなかった。
[はい。]
ひと言だけの返信メールが友美の覚悟を物語っていた。
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