その日の放課後。
授業が終わると徹は信幸にニヤニヤしながら近付いた。
『おい!信幸。これからちょっと付き合えよ。へへっ。』
『えっ?うん。別にいいよ…暇だし。なにかあるの?』
信幸は徹がまた何か企んでるのがすぐにわかった。
(きっと宏樹のおばさんに関係してるな。)
『何処に行くの?』
信幸もニヤニヤしながら聞いた。
『まぁいいからよ。ついてこいよ!』
二人でニヤニヤしながら歩いていると前から宏樹と出会った。
『信幸!徹くん。二人してどこか行くの?楽しそうだな』
『あぁ。ちょっとな。これから女を悦ばすオモチャを買いに行くんだよ。お前も来るか?』
徹が普通に悪げもなく答えた。
『えっ?あぁ…どうしようかな…』
信幸は徹をチラッと見ると。更にニヤニヤしながら言った。
『お前も来いよ。興味あるだろ。へへっ』
『あぁ。じゃあ付き合うかな。』
徹と信幸は顔を見合わせて笑った。
自分の母親を責める道具と知らず一緒に買いに行くのだから可笑しくて仕方なかったのだ。
駅前に着くと。
徹が『ちょっと待ってろ。』
そう言って三人組の学生に近付いて行った。
宏樹と信幸は物影から徹の行動を見ていた。あっという間にカツアゲして戻ってくる徹が誇らしい気分にさえなった。
『あいつら三万も持ってやがった。ラッキーだぜ。これでいろいろ買えるな。ゲヘへ。』
『やっぱスゲェわ!徹くん。』
信幸がおだてながら三人は路地裏にある小さな薄汚れたアダルトショップ【ジーク】に入った。
店内は狭いが、ぎっしりと商品が並び、種類も豊富で女を責める道具なら何でも揃っていた。
『おお!また来たか坊主!この前のはどうだったよ?ありゃ最高だったろ?』
店主が徹に話しかける。
『あぁ…まぁまぁだな。ところでよぉ。浣腸って置いてる?浣腸してやりてぇ女がいてよ。えへへ』
そんな会話に信幸はピクッと反応した。
(え?か…浣腸って…宏樹のおばさんが浣腸までされるのか?あんな綺麗な人が?マジかよ…)
信幸はもうドキドキしてどこかぎこちなくなっていた。
そうでなくてもここは異様な空間。
世間とは隔離された別世界にいる気分になっていた。
それは宏樹も同じだろう。
二人がオドオドしながら店内を見ている間に徹は店主となにやらニヤケながら小声で話していた。
店主は宏樹のほうを見ながら徹の話を聞いている。おそらく女の正体を話してるのだろう。
店主はうわずった声で徹に浣腸の説明を細かくした。明らかに興奮しているようだった。
徹はカツアゲした金で浣腸器とアナルバイブなど数点を購入して三人は店を出た。
店を出ると信幸も宏樹も無口になっていた。
『なんだよ!お前ら?初めての場所でビビったのか?お前らには刺激が強すぎたか?わっはっは。』
徹がバカにしたように言った。
『べつに…別にそうじゃないけど…』
信幸がふて腐れたように答えた。
『あっ?なんだ?文句でもあんのか?はっきり言えや!コラ!』
徹は信幸の態度にイラつきだしていた。
『文句なんかないよ…あのさぁ…あの女性にさ…か…浣腸するんだよね?』
信幸は恐る恐る徹に聞いた。
『わっはっは。お前もかなりの変態だな。見たいんだろお前!わっはっは!あぁもちろんあいつに浣腸してビデオになにもかも納めてやるぜ!それであの女はもう俺のいいなりだぜ。』
徹は自信満々に自慢気に話した。
『へぇ…その人はそんなに美人なんだ。浣腸までされる女ってすげぇな。さすがに徹くんだなぁ。』
なにも知らない宏樹が徹をたてた。
『わっはっは。あははは!あたりめぇよ。たまらねぇケツしてるんだわ。あの女!今から楽しみで仕方ねぇよ!』
徹は腹を抱えながら大笑いして言った。
(くそっ…おばさんがそんなことまでされるなんて。こんなやつに。くそっ!)
激しい真っ黒な嫉妬にかられていた信幸を徹は気付くはずもなかった。
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