友美は不安から一人で家にいることができず早くからあてもなく車を走らせていた。
(あぁ…わたし、どうすればいいの…)
車を運転しながらも昨日の事、そしてこれからの事で憂鬱になる。
信号が青に変わっても気付かず後ろの車にクラクションを鳴らされる始末である。
友美は慌てて車を発進させた。
(あぁ…しっかりしなきゃ)
その時、携帯が鳴った。
『和田徹』
携帯電話のディスプレイにはそう表示されていた。
(いやぁ…お願いもうほっといて…)
しつこくコールする携帯を友美は怖くてとることができなかった。
『くっそー!出やがらねぇ!ふざけやがって!』
徹はコンクリートの壁を思いっきり殴りつけた。
拳を血でにじませながらの怒りの表情に信幸は一瞬にして凍りつき無口になった。
(この俺に恥をかかせやがって!もう容赦しねぇ。)
徹は信幸をほったらかしにしてメールを打ち始めた。
[おい!変態マゾおばさんよぉ!自分の立場が判ってるのかよ!宏樹や皆に送信するぞ!変態サイトにも投稿するからな!覚悟しろよ!]
信幸に見せた友美が自ら全てをさらけ出している写メを添付して送信した。
運転しながら徹からのメールを受け取った友美は慌てて駐車場を探し近くにあったパチンコ店の駐車場に車を止めた。
(あぁ…早く電話してとめないと。間に合って…)
もう恐いなんて言ってられなかった。一刻も早く徹に電話してやめさせなければその一心で電話した。
ところがだ…徹は電話に出なかった。
友美は焦り何度も電話するが徹が電話に出ることはなかった。
(なんで…どうして…まさかもう、宏樹に…)
嫌な予感が広がっていき友美は何度も何度も電話とメールを繰り返した。
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