香織の心は、もう言葉にならないほどに乱れていた。
(……もう……だめ……
ボタンが外れた……
肌が……見えてる……
この二人に……見られてる……
汚い……汚れてる……
先生のものだったはずなのに……
今、この部屋で……
先生の指じゃない指が……
触れてきてる……
怖い……怖い……怖い……
心臓が、破裂しそう……
息が……吸えない……
涙が、止まらない……
叫びたい……
でも、喉が詰まって……声が出ない……
もし、このまま……
ブラウスが全部剥がされたら……
私は……もう……
先生の香織じゃなくなっちゃう……
壊れる……
完全に、壊れる……
昨夜の快楽が、こんな恐怖の中でさえ……
混ざってきて……
熱くて……熱くて……
だめ……だめ……
理性が……溶けていく……
誰か……止めて……
先生……
先生……
助けて……
お願い……
この恐怖から……
救って……
でも、もし救われたら……
また、あの用具室で……
先生の熱に溶かされて……
私は、もう……
普通に戻れない……
戻りたくない……?
わからない……
怖い……怖い……
もう……何も……考えられない……
ただ……
先生の名前だけが……
頭の中で繰り返してる……
先生……先生……先生……)
香織の唇が震え、
ようやく、ほとんど息のような、
か細い声が漏れた。
「……やめて……
お願い……
やめて……
帰って……
お願い……お願い……お願い……」
しかし、二人の目はさらに熱を帯び、
指の動きが、わずかに速くなる。
部屋の空気が、限界を超えて張りつめ、
一瞬の沈黙が、永遠のように長く続き——
香織の精神は、糸が完全に切れる寸前まで、
静かに、しかし確実に、引き裂かれようとしていた。
この瞬間、香織の心は、完全に崩壊の淵に立っていた。
先生に守られたはずの秘密が、
今、別の脅威に晒され、
彼女の精神は、静かに、しかし確実に、落ちていく。
部屋の空気が、息もつかせぬほどに重く、
次の瞬間、何かが起こる——そんな予感が、香織の全身を硬直させる。
彼女の意識は、恐怖と昨夜の記憶の狭間で、ゆっくりと沈み始めていた。
もう、抵抗する力すら残っていない。
ただ、涙だけが、静かに流れ続けていた。
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