香織はアパートのドアを開けた瞬間、後ろから強い力で押し込まれた。
「えっ……!?」
背中がドアにぶつかり、鍵を回す間もなく、室内に二人の影が滑り込む。
ピッチャーの沢田(瘦せ型)とキャッチャーの桑田(大柄)。
学校一番の札付きのワルたちが、息を荒げながらドアを閉め、鍵をかけた。
カチリ、という音が、静かな部屋に異様に大きく響く。
「先輩、びっくりしたか?
でも、逃げんなよ。
話、ちゃんと聞かせてくれよ」
沢田がニヤリと笑いながら、香織の腕を掴んでリビングへ引きずるように連れていく。
桑田はドアに背を預け、腕を組んで出口を塞いだ。
香織の心臓が、再び激しく鳴り始める。
学校の倉庫で柳田先生に助けられたはずなのに——
今度は、自分の部屋にまで追われてきた。
部屋は一人暮らしの狭い1K。
ベッドと小さなテーブル、散らかった参考書と制服のスカートが床に落ちている。
昨夜の記憶が残るこの空間が、急に息苦しくなる。
(……どうしてここまで……?
学校で終わったはずなのに……
先生が助けてくれたのに……
この二人、どうやって住所を知ったの……?
怖い……本当に怖い……
でも、昨日の倉庫のときと同じ……
身体が、熱くなって……
先生のことを思い出すだけで、下腹部が疼く……
だめ……こんなところで……
叫べば、隣の部屋に聞こえるかも……
でも、声が出ない……
もし、この二人に昨夜のことをバラされたら……
学校中が知ったら……
私の人生、終わる……
先生……また、助けて……
でも、今は……ここに先生はいない……
私、一人じゃ……どうしよう……)
桑田がゆっくり近づき、香織の顎を指で持ち上げた。
大柄な身体が影を落とし、部屋の照明が彼の顔を不気味に照らす。
「先輩、柳田のジジイと何してたんだ?
倉庫で話した続きを、ちゃんと聞かせてくれよ。
俺たち、黙っててやるからさ。
その代わり……
ちょっと、協力してくれよ」
沢田が香織の背後から腕を回し、腰を抱き寄せる。
指がスカートの裾を軽く持ち上げ、太ももに触れる。
香織の身体がびくりと震えた。
(……触られた……
先生以外の人に……
嫌なのに……身体が、反応してる……
昨夜のせいで、こんなに敏感になって……
だめ……抵抗しなきゃ……
でも、力が……入らない……
もし、ここで何かされたら……
先生のものだった身体が……汚される……
それなのに、なぜか……先生のことを思い浮かべて……
子宮が、きゅんって締まる……
私、もう……壊れてる……
怖い……怖いのに……
この恐怖が、昨夜の快楽を呼び起こしてる……
どうしよう……)
香織の瞳から、涙が一筋零れた。
声が震えながら、ようやく絞り出される。
「……やめて……ください……
お願い……帰って……」
しかし、二人の目はさらに熱を帯び、部屋の空気が重く張りつめた。
外の夜の音が遠く聞こえる中、香織の部屋は——
新たな緊張と、抑えきれない恐怖に包まれていく。
この瞬間、香織の心は、再び崩壊の淵に立っていた。
先生に守られたはずの秘密が、今、別の男たちに脅かされようとしている——。
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