二人は最後の一夜を楽しみそして満足した。翌朝虎御前が廊下から声をかけると若々しく張りのある忠太丸の声が応じた。
「おはようございまする。お二方ともご気分はいかがかの?」「はい、過分のお心使いをいただいたおかげで我も母上もとても気持ちが良うございまする。」「それは良い。さればお約束のとおり..。」「はい、我も母上も心の準備は出来ておりまする。」
心の準備だけだなく、母と息子は夜明前に水で全身を清め髪を結い直し裸ながら旅立ちの装いとしていた。
「素晴らしき心映えにございまする。さてお二人をご案内いたそう。失礼ながらお二人には縄を掛け申しますのでご容赦を。」
これから磔の処刑場に引き出される身である。裸に縄目と武士の妻と息子にとって屈辱極まりない姿のはずだが、二人とも従容として後ろ手に縛られる。
「念のためお話しておきまするが、お二人の健気なる態度に御屋形はおなご衆は明日をもって全員解き放ちとおっしゃっておりまする。」
お光の方を背後から両手首を背中で合わせて縛り、両乳房を上下から挟むように縄を巻かきながら虎御前は虎長の決定を知らせた。
「さりながら先日お見せしたとおり若い侍衆からの陵辱は致し方ない事。命が助かっただけでも幸せと思われよ。」虎御前はお光の方にそう言うと二人を引き立てて行くが、その途中に先日通りがかりに中を覗かされたおなご衆が陵辱されている長屋があった。
「お二人とも、この中を覗くが良い。」
それは命令であった。虎御前に言われるがまま、二人は長屋の一軒の部屋の破れた障子から中を覗く。
「い、痛とうございまする..。そのようにされては貞は痛うございまする、左馬助殿..」
貞は忠太丸より一つ年上でお光の方の侍女だった。賢く立ち振る舞いも優れていたので、やがては将来一角の武将となるであろう若い武士に嫁がせようかと思っていたのだが、今はこの様に敵の荒くれ武士から陵辱されている。はて、しかし少しおかしくはないか..?お光の方は貞の声、言葉にただ陵辱されているおなごの嘆きとは違うものを感じた。
貞は自分の名前を相手に言い、相手の名前もを左馬助殿と呼んでいる。それに声の調子に嘆きや反抗ではなくおなごが殿方に甘えるような含みが感じられた。
「痛いか!我の事を憎むが良い。されど我はそなたを離さぬぞ!明日は我等はここを旅立ち国元に戻るが、我はそなたを離さぬ!国元まで連れて行くゆえそう覚悟せよ!」
「まあ、我を..、国元に連れて行くのでございまするか?」「そうじゃ!我はこれまでおなごと言うものを知らなかった。そなたがこの様な素晴らしいおなごと知ったから明日おなご衆を解き放ちと決まっていても従う訳にはいかぬ!馬の鞍に括り付けても連れて帰る!」「それではわらはを..、わらはを端女として使っていただけるのですか?」「端女だと?そんな事が出来るか!妻じゃ!そなたは我の妻となって我の子を産むのじゃ!良いか?」「あ..い..。」最後の貞の返事は甘やかな響きに満ちていた。
「さあ、次はここじゃ」
虎御前は母子にまた別の障子を覗かせる。
そこは先程の貞よりさらに悲惨な光景があった。
部屋の中にいるおなごは梅。まだ数え13の女童で親族の無い孤児。手も足も細く胸がわずかに膨らみ始めたくらいでほとんど女童そのもの。その痩せた梅が真っ裸で後ろ手に縛られ、胡座をかいた逞しく真っ黒く日焼けした武士の膝に載せられていた。その口は猿ぐつわで封じられている。良く見れば武士のゴツゴツした黒く太いへのこは半分ほど全く毛も生えていない梅の裂け目に食い込んでいた。武士は両手で軽く梅の両足を抱えながら、徐々にその身体を自分の膝の上に下ろしていく。それに連れて梅の身体の中に武士のへのこが突き刺されて行った。猿ぐつわされた幼い梅の顔は明らかに苦痛に歪んでいる。やがて武士は梅の身体を完全に自分の膝の上に乗せてしまった。武士の太く長いへのこは全て梅の胎内に入ってしまったのだ。
苦悶の表情を浮かべる梅の小さな乳首を摘まんでいたぶりながら武士は梅に話しかける。
「目童のそなたを如何様に責めても良いと当てがわれて我は幸運であったぞ!本来なら責めて責めて責め殺すつもりであったが、残念
な事に明日そなたを解き放なち我は国元に帰らねばならぬ。今日一日せいぜい責めてやるから覚悟せよ!」
これを聞いた梅がさかんに顔を振って何か言おうとしている。「何じゃ?何か言いたいのか?」武士は梅の口を封じていた猿ぐつわを解いた。その途端に梅は行った。「連れて行け!われをお前様の国に連れて行け!」
これには武士も驚いたようだ。「連れて帰れば我はおぬしを責め殺すぞ!それでも良いのか?」「お前様はわれを殺さぬ!殺すつもりなら何故この数日われに魚や肉を宛がった?寝入ったわれに何故衣を掛けてくれた?」縛られ巨大なへのこに突き刺されながらけんか腰の剣幕で相手の男に連れて帰れと言う梅に相手の武士はしどろもどろになった。「殺すつもりは無いが..、我が責めるのに夢中になってつい殺してしまうやもしれぬぞ?」「それで良い!お前様から責め殺されるなら本望じゃ。我はどうせ身寄りもおらぬ!お前様の好きに弄んで死ねば埋めてくれたら良い!」
ああ、梅は幼いながらもおなごなのだ..。激しく痛く責められながらも、この武士の心根が本当は優しい事を見抜いておる。
まるで亡き殿様にわらはが惚れてしまったのと同じじゃ..。
お光の方の目に感動の涙が浮かんだ。
「おなご衆のうち未通女達は独り身の武者に宛がった。宛がった相手とはずっと一緒に居らせておる。おなご衆は明日解き放されたら親元に帰るも好きな男と一緒になるも自由じゃ」
お光の方は虎御前の残酷で優しい心使いに涙した。
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