囚われの母子は別々に牢屋へと引き据えられて行った。2日後、お光の方は虎御前から直々に小袖から腰布まで全て剥ぎ取られて丸裸にされた。あまりの屈辱に舌を噛んで自害しようかと思った時、非情な虎御前から言われた。
「お主が自害すればあの忠義な女共は釜茹での刑じゃ。真っ赤に茹でられて苦しみ藻掻いて死ぬ事になる。」
そんな..、首を斬られて死ぬ事でも残酷なのに..。虎御前は更に続けた。
「お主、我が子の最期を見届けてはやらぬのか?母が先に死んだとなれば、あの優しげで美しい若武者もさぞ落胆しよう。それより可愛い我が子と一緒に旅立った方が良いのではないか?それまで武士の妻、母として苦しさに耐えるが良い」
裸に剝かれる辱めを受けながらも、お光の方は敵の奥方の言う事ももっともではないかと思った。別々に死ぬより親子二人で領民や忠義の者達を救うために辛い死を受け入れよう。あの子ならきっと酷い処刑を見事に受けて死んでくれるに違いない。それを見届けてわらわも酷い死を迎えよう。そう決心した。
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