虎御前の表情は前の様に忠太丸を虐めるのを面白がるかの様な様子はなく、むしろ厳粛な表情だった。
「気がついた様じゃな。わらはの話は聞けるか?」
その言葉に忠太丸が頷くと虎御前は言った。
「そなたの健気さに免じて母御と会わせてしんぜる。ただし二人して最後の仕置きを受けて処刑されるためじゃ。」
母上に会える!忠太丸は心が膨らむ思いだった。たとえ母上様が凌辱されていても良い。会えた後に酷い拷問と処刑をされても良い。優しい母上の姿を見たい!
忠太丸は一度縄を解かれて立たされ、改めて
後ろ手に縛り上げられた。もちろん下帯も無く陰毛を抜かれ辛子を塗られて腫れ上がった下腹部を晒したままである。その惨めな姿のままで城の本丸に続く曲輪を歩かされて行った。曲輪には虎長の軍兵達、使役で使われている領民達、それに捕虜となった家臣達と女衆もいる。それらの蔑みと好奇の目に晒されながら、かつては颯爽と馬に乗り駆け上がっいった通路を、虎御前に縄尻を取られながら裸足で歩かされる。公然と忠太丸を蔑み嘲笑う軍兵達、こそこそと盗み見る領民達、そして若殿の無残な姿を見て泣き出す家臣や女衆。女衆の中には若殿に憧れ、一夜でもお情けを受けたい、あのお腰の物で貫いて欲しいと思っていた者もいた。その憧れていた若殿の腰の物は辛子責めで赤く腫れ上って無残限りない。女衆も泣かずにはおられなかった。
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