気がつくと忠太丸は縛られた姿で腰までの水風呂に浸けられていた。自ら望んで口に入れられた経血を含んだ布はもはや抜き取られていたが、両手首は背中で、両足もM字に曲げられて縛られていた。足は水は冷たいが辛子責めの拷問に焼かれたへのこやふぐりの痛みが少しは減るような気持ちがする。尻の穴にかなりの痛みが残るが、それより尻の穴全体に異様に不自然な感覚..。冷たい水が尻の穴から腹の中に入ってきてるような..。
事実、忠太丸の尻の穴からは水風呂の水が入ってきていた。忠太丸の辛子で腫れ上がった肛門には金具に弾力のある竹で巧妙に作られた網状の筒が差し込まれていた。これも虎長と虎御前夫婦が考案して職人に作らせた拷問器具であるが、今は焼け爛れた忠太丸の肛門の粘膜を癒すために使われている。
忠太丸は自分の受けた凄まじい拷問を思い出したが、不安は自らの事ではなく愛する母の身の事だった。敵将虎長に凌辱されたのでは..。あの美しくも残酷な虎御前から我もされたようないやらしく過酷な拷問を受けたのでは..。もはや忠太丸は自分と母の二人とも生かしてもらえるとは思ってなかった。攻め落とされた領主の一族として見せしめに処刑されるのは致し方ない。されど..、せめて嫋やかで美しく優しい母上様はその姿に相応しく美しく逝って欲しい。忠太丸はそう思っていた。
母上様に会いたい。無事な姿を見たい。そして幼い子供の時のように我を抱き締めていただきたい..。
そう思ってしまうと我ながら情けないと思いながらも涙が出るのを止められなかった。
しばらくして、再びあの虎御前が姿を現した。
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