時刻は20時をまわっていました。
こんなに長く試合をしていたのか、、、。
私は驚きと、体力の限界の言い訳を1つ見つけた気がしました。
A君の提案で、私の体力が戻るようにという理由で「お願いされた試合」は21時からする事となりました。
遅い時間ですが、疲労こんぱいの私には拒否をする余裕はありませんでした。
私は柔道場を出たすごそこのトイレの水道で水分補給をしました。
汗だくだった身体は、汗が引くのと一緒にどんどんと冷えてきます。
私は予備で持ってきていたTシャツに着替えました。
私は悔しいという気持ちよりも、言い訳を考える事を優先していました。
初動を間違えたから。とか、やはり自分の道着を持ってくれば良かった。とか、A君の柔道はただの力任せ、柔道で負けた訳では無い。とか、、
20:50頃、、そろそろお願いされた試合の時間です。私はA君の言葉を思い出します。
(次はたっぷり可愛がってあげるよ)
この言葉の意味は?
私をバカにしながら散々に投げ飛ばす。とか?
そんなことはさせない。次は、、次はかつ。
と考えてる時に、試合中に小馬鹿にするように頬を叩かれた事を思い出しました。
あの時、情けなさともうひとつ。なにか違う感情がありました。
そして、脈絡もなく、「可愛がる」の真意は、私をレイプする気なのではないか?という考えが頭をよぎりました。
私はゾッとしました。怖い。そう思いました。
しかし、同時に頬をはたかれた時の謎の感情も姿を見せました。
私はこの感情が何か分かりませんでした。
21時になると、スマホをいじっていたA君が立ち上がり、私のところに来ました。
「どう?先生。少しは体力回復した?」
「うん、、さっきは負けた。確かに。認めます。でも次の試合は勝つから」
私は頭よりも先に口から意地を張るような言葉が出てしまいました。
「うん、本気で来てよ」
「さっきの負けの条件はギブアップ宣言だったじゃん?今度の試合の負けの条件は、俺の問に対して全部認めたら負けにしたいんだよね。」
「?、、どういうこと?」
「つまり、試合中に、勝ってる状況の時に俺が聞くから、それを認めたりしたら先生の負けね。
例えばさ、女じゃ男に勝てないよね?って聞いて、先生がはいって答えたら、、負け。
分かった?」
「、、、私が勝つ条件は?」
「それは普通の柔道と同じでいいよ。1本とったとか、寝技で押さえ込んだとか」
「つまり、私は単純に試合で勝てば、、そのまま勝ち?」
「そうだよ。まぁ、先生は俺に勝てないとおもうけどね。」
私は侮辱された気分でした。さっきの負けでここまで下に見られてしまったのか。と。
鳴りを潜めていた悔しさが再び蘇ってきました。
絶対に勝ってやる。
先程までの私とはうってかわり、闘志が漲ってきました。
「分かった。いいよ。」
A君はニヤリと笑いました。
私は立ち上がると、A君は私にかなり近ずいてきて、いきなり近くの柱に私を押し付けてきました。
両腕を掴み、壁に押さえつけてきます。
突然のことに私はビックリして動揺しました。声が出ませんでしたが、それでもA君を睨みました。
A君は私の目をしっかりと見ながら話し始めました。
「手荒な事はしないから、このまま聞いてよ」
「先生、、知ってた?先生が顧問になった時、柔道部の先輩方は、先生の事エロい目で見てたんだよ?」
突然の事に、私は意味が分からず、脳が追いつきませんでした。
「先生さ、だいたい指導の時、、特に夏とかだけど、白のTシャツだったよね?
ブラが透けて見えててさ、それが先輩たちのおなネタになってたの。気づいてた?」
ドキっとしました。確かに、男性特有の目線を時折感じる事はありました。しかし、それは思春期だからと思い、そこまで深く考えず、嫌悪感も抱くことはありませんでした。
しかし、こうやって、具体的どこを見ていたのか?それで、なにをしていたのか?を聞かされると、、、、。
自分の心臓がドクンドクンするのが分かりました。
「先生、たまに稽古つけてくれて、その時道着つけてたよね?
あの道着持ち帰らないで部室にかけてあった時とか、先輩達は先生の道着の汗の匂い嗅いでたよ。」
「先生を顧問として尊敬している反面、性の対象としても見てたんだよ。わかる?」
ドキドキしました。嫌悪感があります。それに、信じられない気持ちも。
だけど、A君の言っている事は本当のように聞こえてきます。
「俺も当然、3年間、先生のことをエロい目で見てた。でもね、俺が先輩達と違うのは」
「俺は1年生の頃からずっと、、ずっと好きだったんだ。先生の事大好きだった。1人の女として見てたよ」
突然の告白も、こんな状況で言われても嬉しくない。
、、嬉しくないはずなのに、、、、。
「でもね、先生に乱取り稽古で負けた時に悔しかったのもホント。
でも、その時に、いつか先生を力ずくでも俺の物にしたいって思うようになっちゃったんだよね。その、透かした顔をやらしい顔に変えて、分からせてやる。
先生がみんなのオナペットになってて、
偉そうにしてるけど、俺らの事を生徒としてしか見てないけど、先生は生臭い女なんだと。先生の前に、顧問の前に、、お前は女なんだと分からせたいって。」
ドキドキしました。色んな感情で情緒がおかしな事になっていて、、パニックでした。
それでも、彼の言葉を遮る気は起こらず、ただただ次の言葉を待っていました。
「先生さあ、、本当は変態なんじゃないの?今の話聞いて、顔が赤らんで目がトロンとしてるよ?」
私はドキッとしてすぐに否定しました。
「ち、ちがう!!それはない!絶対に無い。」
A君の直視に、全て見透かされている感覚になり、恥ずかしくなってしまい。顔を背けました。
「先生、、マンコ濡れてるんじゃない?今。」
「濡れてない!!」
私はA君の声を、、、私の本音をかき消すように怒鳴りました。
「先生、、俺は伝えたい事は全部伝えられたから、、試合。しようか。」
そう言うと、彼はゆっくり掴んでいた腕を離しました。
そして、最後の試合が始まりました。
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