「家に行ってもつまらないから、呼べばいいじゃん。」
「駄目よ。ボロ家に行って体格の違いを見せつけるのよ。」
「分かったよ。今夜中だから誰でもいるから、近く奴の家に行こうか。タクシー呼んでよ。」
金持ちは、自分で運転しないし、僕は車に興味ないから免許も無い。運転手なんて要らない。あまり外出が好きではなかった。
富裕層専用の大型タクシーに乗り、同期の家に着いた。
彼は、呼び鈴に起こされ玄関を開けると、僕達巨人夫婦を見て、
「で、デカい。夜中になんだよ。いきなり来たりして。」
と、怒っていた。
「なあに、いいじゃん。辞めたとはいえ同期でしょ。あなたも主人と一緒に辞めれば良かったのに。まだいるの?」
「お前達みたいに金持ちじゃ無いからな。買収されてパワハラされても、今の会社にしがみついて働くしかないんだ。再就職なんてこの年じゃ不可能だし、差別のご時世だからな。」
「なんか、酷いな。昔は俺達仲良かったのに。」
「あなたさ、ウチの主人が社外取締役だって知ってるの?大株主だから社長だって頭上がらないのよ。」
「よせよ。昔の仲間をクビには出来ないよ。」
「じゃあ殺しちゃう?イヒヒ。罪状は侮辱罪かな。あはははー。」
と、拳銃をちらつかせたら、
(ヤバい、こいつの奥さん元ヤンだった。)
「すいません。自分の立場忘れてました。どうぞお上がり下さい。」
と、彼は震えながら、言ったのである。
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