………これでよし、と
ディスクの上で広げていた用紙を片付けてまとめ、トントンと叩いて端を揃え引き出しにしまう。
………お先に失礼します
今晩は何にしようか、一人暮らしなので食事はどうしても簡単な物になりがちなってしまう。
それでもご褒美だ何だと理由をつけてスイーツを手にしてしまうのは、やめられない。
帰宅途中にケーキ屋があるのもいただけないのだ。玲子はお店の前を通り過ぎてから足を止め、忸怩たる思いで苦笑いを浮かべた。
ひとつだけなら………いつもながら自分に言い訳をつけ、小さな箱を手に持って帰るのだった。
誰もいない部屋に帰り着くと……ただいま………言葉が自然に出る。
相手は出窓に置かれた小さな箱サボテン。
手に入れてから何年になるだろうか…先日、ついに小さな蕾を付けて、今朝気づいたら愛らしい紅色の花を咲かせたのだ。
………ふふふっ
その花を愛でていると自然に顔がほころぶ。
バスルームに行って湯船にお湯を入れるスイッチを押す。
小さなソファに身を落ち着けると、しばらくはすることがない。テーブルに置いたケーキの箱を見つめ、食べてしまいたい誘惑と戦う玲子だった。
不意に電話が鳴る。誰だろうと受話器を取ると、久しぶりに聞く母の声だった。
………なあに、どうしたの?
いつになく暗い母の声に、不安を覚えた。
………実はね玲子、お父さんが連帯保証人になっていて…………
正月に帰省した時には何も知らされていなかっただけに、晴天の霹靂だった。
以前に世話になった人を助ける為に、連帯保証人になっていたというのだ。信用のおける人だったのに消息を絶ったらしい。つまり、全ての借金がのしかかってきたのだ。
玲子の実家は代々の果樹園を持っていた。
季節になると併設された観光客向けの果物狩りスペースは、お客さんで賑わう。
借金返済にはその全てを売却しなければならなかった。
全てなくなるけど、私達は大丈夫だから………
娘に心配かけまいど気丈に振る舞う母だが、気落ちしていないはずがない。
特に父が心配だった。
どうすれば………どうすれば………
ケーキを食べる食欲は失せてしまっていた。
2日後、タイミングを図ったかのように男からの接触があった。
神出鬼没で突然に現れたかと思うと、あえて携帯に連絡をしてくる方法をとってくる。
そういえは以前、妙な誘いを男からされたことがあった。
ーーーアンタほどの良い女なら大金を稼げる方法があるけど
その時は丁重に断った。
玲子はその話を切り出した。
………あの話は、まだ可能でしょうか?
ーーーん?何の話だ?
………茶化さないで下さい、どうなんですか?
ーーーどうしたい、藪から棒に。
まぁ話を聞いてやらないこともないが、アンタ次第だな。
詳しく話を聞いた。
社会的地位のある変態たちの前で、痴態を繰り広げるというものだ。
いくつか条件をつけると、そのくらいなら先方と話をつけてやると男は見栄を切った。
条件とは、自分の人相が誰だか分からないようにすること。
露骨に陰部が見えないようにすること。
痛い、汚いことはしないこと。
通話を終えて玲子は大変なことをしてしまったと、今更ながらに泣きたくなった。
だが両親を救いたい、自分が育った大切な場所をなくしたくないと、その思いは頑なだった。
決行の日はやってきた。
まるで死期がやってくるかのように、その日までは毎日が愛おしく感じていた。
何気ない日々がこんなにも大切だったなんて、思いもしなかった。
迎えの車に男と乘る。
途中から頭に袋を被せられ、目的地がどこだかわからないままに連れて行かれた。
どこかの地下のようだったが、変態の巣窟らしいと玲子は恐怖に身が縮む。
着たこともない美しいドレスが用意されていた。
肩が出て胸元までしかないロングドレス。
こんなことで着なければどんなに嬉しいか。
玲子は着ている全てを脱ぎ、セクシーなショーツを履き、白いセパレートストッキングを身につける。設えたかと思うほどドレスはぴったり合う。
これでもかと胸が押し上げられ、強調している。
極めつけに目元を隠す仮装用のアイマスクが用意されていた。
理由もわからず舞台のようなところに引き出されると、眩しいライトの下に黒光りしたグラウンドピアノが目に映る。音楽教師という情報が伝わってい手のことだと思った。
完全に変なのは、椅子だ。
ヨーロッパの貴族が使うような大きく装飾までががなされていた。
観客席には玲子と同じようにアイマスクをしたタキシード姿の変態たちが、今か今かと待ち構えて目をギラつかせていた。
あの椅子に座れということか………
玲子は椅子まで進み、ギョッとした。
随分と低い椅子だと思っていたけど、椅子と同じ色の全身タイツ姿の男が既に座っていたのだ。
そういうこと…………
玲子は心を無にして椅子もとい男の膝に座る。
その男は玲子が座り切る前にスカートの後ろ側を捲り上げることを、抜かりなくやってのけた。
玲子の尻に太く熱い棒が密着し、脈打っているのが伝わってくる。
ピアノの足元にあるはずのペダルが見当たらない。
よくよく見ると、精巧に造られた電子ピアノ………笑えるではないか。
譜面まで用意されている。
鍵盤に指を置き、音符通りに演奏を開始した。
誰でも耳にしたことのある曲、玲子もこれまで数え切れないほど弾いているので譜面は見る必要がないくらいだった。
不意に玲子の椅子になっている男が後ろから玲子の胸を揉み始める。
優しくソフトに……その手の指が、そっと胸元の生地を下げて乳房を露出する。
白く美しい形をした玲子の乳房……何事もないように演奏を続ける玲子の乳房はソフトに歪み、妖艶に形を変えていく。
指が乳首を挟み、くにくに……先端をそろ〜りそろ〜り……力を加えず抜き取るようにすっぽん、すっぽん……形が変わるようにこねくり回し、くねくね………
玲子の鼻息が少しづつ強くなる。
アイマスクを付けた新たな男が現れた。
下になっている男が玲子を少し前に押し出すと、新たな男はドレスの裾に手を入れ、履いたばかりの下着を引きずり下げる。膝を左右に開き、ドレスの中へ頭が入った。
痺れそうな苦痛……そして快感が襲いかかる。
観客はワインをたしなみながら、玲子が耐える姿を楽しむ。
指が言うことを利かず引き間違える。
肩がピクピクと反応を示し、頭が揺れ始めた。
マイクが設置されているらしい………
ぐちゅ…ぶばぁっ…じゅるる…くちゅくちゅくちゅ…じゅぶじゅぶ…にちにちにちにちにちっ……
……あぁ~はっうッ…あはっ…はぁっはぁっあぁ~あ…あっあっあっあっあ〜っあっあっあああ~っ
ピアノの音色は玲子の喘ぎ声に取って代わづてしまい、卑猥な音が観客達を興奮の渦に引き込んだ。
なぜならば、男たちのアイマスクには小型カメラが内蔵されていたのだ。観客達のテーブルに設えられたモニターには玲子のドアップの陰部がうつしだされ、舐めては顔を引く男の動きは観客達に見せるためのもの。男の舌先が勃起クリトリスを執拗に弾く様が克明に披露されていたのだ。
肛門がひくひくと収縮を繰り返し、てかてか光る粘膜上を走る舌。小陰唇が押しのけられ形が歪む。舌先から糸を引きながら伸び、粒の塊が落ちる愛液。クリトリスに吸い付くと画面から大きく外れて玲子の声が響く。
チュパチュパチュパチュパチュパチュパッ………
そう、このクンニをしているのはいつもいつも、玲子を凌辱しているあの男に他ならない。
玲子の好みを知り尽くした個の男は、簡単に玲子をオーガズムに導ける術を知っている。それを引き伸ばし、観客達をよろこばせるために玲子の喜び踊る姿、悩ましい喘ぎ声をこれでもかと見せびらかすのだ。
玲子がイキそうになればクリトリスから離れ、他の部分で舌を遊ばせる。可能な限り膣の中にも突っ込み中の泥濘みを楽しむ。そしてクリトリスへと戻るのだ。
散々、散々と弄び、こんどはオーガズムに導く。
唇をすぼめクリトリスに隙間なく密着させる。
あとはチュプチュプと吸引しながら永遠に微細なビストン運動を続け、舌先でもぺしぺしと叩き続ける。大きめの玲子のクリトリスはこれが弱い。
椅子となった男の胸にしなだれかかり、我を忘れて狂いながら、やがて玲子は打ち上げられた魚のように体をビクビクと痙攣していた。
それを間髪入れず、3度繰り返す。
叫び声を上げ暴れる玲子を椅子と化した男が抑え込み、容赦なく続けられた。
赤く濃い色のクリトリスが唇から見え隠れする様は、フェラチオを彷彿させ観客を唸らせた。
男が玲子から離れると、待ちかねたように玲子の下の男がペニスを露出させる。
そして、玲子の中へと消えていく映像を食い入るように観る観客。
下の男は玲子を持ち上げ、下から突き上げる。
ベニスが玲子の膣から出てきては、押し広げながら入っていく。
にゅりっ……にゅりっ……にゅりっ………
濡れた粘膜が隙間なく密着した摩擦音が、生々しい。
あぁ~ぁぁ……あああ〜あぁぁ〜……はぁぁ~ぁぁ…
酔いしれる玲子、濡れて肌に張り付いた陰毛が卑猥さを演出する。
数十分に渡って行われた卑猥なショーは、突然終わりを告げる。
ベニスが引き抜かれた玲子の膣はポッカリと広がって塞がる前に乳白色の精液がドロっと溢れ出る。
第2章、椅子になっていた男と入れ替わり、玲子にとっては馴染みのある男の上に対面する形で腰を降ろす。
胸をぷるぷると揺らし腰を使う玲子、いやらしく滑らかに腰が動く。
男が肘掛けを左右に倒した。玲子は踏み板にしてガニ股騎乗に切り替えて、腰を打ち下ろし始めた。
ぴしゃん!ぴしゃん!ぴしゃん!………
頭を怪しく上下に上げたり下げたり、横に斜めに揺らし腰を打ち下ろす。
快感を堪能し感じ入る玲子はただの雌になる。
その玲子の表情を画面で眺め、口にワイングラスを運ぶ観客。
玲子は目を閉じて表情を歪ませ、ぴしゃぴしゃと肌が当たる音が響く。
不意に玲子を抱きしめて立ち上がった男。
舞台の観客間際まで歩くとか玲子を降ろし、観客に向けて四つん這いにさせた玲子をバックから貫く。
顔を伏せる玲子の髪の毛を掴み引き上げさせ、観客は苦痛に歪みながら注がれる快感に感じるその様を、揺れる乳房と交互に眺める観客達。
両手で腰を掴み本格的に腰を使う男に、自然と揺れる頭を上げた玲子はだらしなく開けた口から涎を垂らしてしまう。
ついに男は玲子のドレスを剥ぎ取った。
残されたセパレートストッキングが返って卑猥さを助長する。
観客に対して横になり、正常位で交わり始める。
玲子は頭を左右に転がし、時々揺れる乳房を押し上げるように背中を反らす。
玲子の脚を大きく左右に広げ、ベニスを打ち込む様を観客の画面に映し出す。
観客達は画面と舞台上の2人を交互に眺め、舌舐めずりをする者までいた。
包皮から露出したクリトリスの下で泡立った卵白に包まれたようなベニスが、小陰唇にまとわりつかれながら出入りを繰り返す。
ひときわ強く切迫したような反応を見せ始めた矢先の玲子が大きく背中を反らす。
男がーーーうっっ!と唸り声をあげた。
数十秒間の後、男は玲子を引きずり自分の尻と背中を観客に向けて動きを止める。
素早く離れた男は玲子の両足を持ち広げてみせた。
今まさに閉じ始める玲子の膣口からは、男の精液の排出が始まっていた。
間近まで見に来た観客はしげしげと玲子の陰部を眺め、口もとへグラスを傾けていた。
※元投稿はこちら >>