あちこちから人の談笑する声が交錯し、紙を捲る音、テスト用紙を採点でもしているのかペンを走らせるシュッという音が交じる。
玲子ば職員室ストレスで仕方がない。だから音楽室の隣りにある自室にいることがどうしても多くなってしまうのだけど、そこにばかり居るのわけにもいかない。半分は職員室の自分のディスクの前に居るようにしていた。
ディスクに目を落とし、玲子は場違いなことを考えていた。
あの男の裏切りは許すことができず、とても恐ろしかった。なのに、そんな感情とは別にものすごく興奮した自分がいたのだ。
第二の男が現れて、その男にも蹂躙されて何度も上り詰めてしまった。恐怖と憤り、羞恥心がいとも簡単に捻じ伏せられ、その時点では決して望まない快感がスリルへと変貌を遂げた。尊厳を完全に無視された末の絶望は凄まじい快感を呼びせたのだ。自分にそんな性癖があったとは思えない。
自己防衛の為に育ってしまったと考えると、合点がいく。
玲子はディスクに視線を落としたままそっと手を下に降ろし、陰部に触れた。
あの感覚が呼び起こされる予感がして、心にさざ波が立つ。玲子はハッとして周囲に視線を走らせる。誰も玲子の邪な感情に気づく者はいなかった。
………さて、あとはあれを用意してと………
午後のクラブ活動の支度を整えると席を立ち上がり、玲子は音楽室へとゆっくり歩を進めていった。
よく晴れた休日の朝、玲子は軽自動車ハンドルを握り駅前の待ち合わせ場所へと向かっていた。
その場には年相応にちょっとお洒落をした女の子2人が、嬉しそうに手を振りながら待っていた。
玲子の教え子たち。毎年この時期になるとついていけない生徒が何人か出てくる。
大抵は乗り換えて事なきを得るのだけど、一人だけ気がかりな子がいたのだ。
担任でもない玲子が、いや教師がここまで関わると後で責任問題になりかねないのだけど、同じ経験をした玲子は助けてくれた教師がいたのだ。
玲子は今でも恩師と慕っている。
自分ならと息抜きに連れ出そうと思ったのだ。もう一人は彼女の親友で、付き添いのようなものだ。
車に乗り込んでくると、目的地に向かってハンドルを切る。窓からは朝の気持ちの良い風が頬を優しく撫でていく。
この街は神社仏閣が多く点在し、緑豊かな土地度もある。
自分も30過ぎの年齢だが、10代のこの子達にはどうだろうか?そんな懸念もあったが、物珍しそうに眺める様子に玲子は胸を撫で下ろす。
次に植物園に寄り、色鮮やかに咲き乱れる花を見て愛でる姿を見て、女の子だなぁと感慨深く微笑ましく思った。
昼食をご馳走してお土産屋さんを物色して歩きく。10代の心は脆く、手助け次第では元気になるのは早い。少しは気晴らしになっただろうか。
…………玲子先生、この辺もっと見ててもいい?
…………しょうがないなぁ、じゃあ1時間後にここに集合ね、分かった?
大人びて見えるがまだ10代の女の子、素直な返事をして2人は嬉しそうに走っていった。
さてどうやって時間を潰そうかとお茶でも飲める場所を探し歩く玲子の前方から、この場所には不適切で場違いな男が姿を現した。
今日はこのときまでずっと待っていたかのように
。会いたくもく、でも待ちかねていたような複雑な気持ち………。
ーーー少し歩こうか
男は言う。
………今日は時間がないのよ
玲子は力なく言った。
ーーーじゃあ早く済まそうじゃないか
男は冷酷な言葉でそれ以上、玲子になにも言わせなかった。
参道沿いの土産物街を歩いていると、脇道のある角に面した建物が工事中らしく、中が見えないように覆われた状態なのが見て分かった。
人が切れたタイミングで玲子は脇道側から中に、連れ込まれていた。
建設会社の名が書かれた白い丈夫な生地は、陽の光を受けて側を通る人のシルエットがよく分かるほどしっかり見える、玲子は不安しかない。
ーーーこっちに来いよ、似合うじゃねえか
下卑た男の褒め言葉は嬉しくもない。
玲子はこの日、黒のノースリーブニットに白色のゆとりのあるサマーパンツだった。
縁台のように張り出した場所に腰掛けると履いているものを当たり前のように脱がされ、半日過ごして汗ばむ陰部をクンニを始める。
ーーーいつ見ても豆は見事だな、アンタの小指の爪くらいはあるんじゃないか?
まだ包皮に覆われたクリトリスを剥き出しにした男は、見惚れて言葉を漏らす。
外気に触れたクリトリスはまだ白っぼく、血の気のない色をしている。
その豆を唇で挟んで、ハムハムハム…ムニムミ……弄びだした。
玲子は身を捩り下唇を噛んで、くすぐったくてムズ痒さに悶絶する。
………はっ…んん~~っくっ!……あっあっんっ!……
ぐんぐん膨張を始めたクリトリスは自ら包皮を脱ぎ去り、その全貌を現した。男の唾液で艶々と輝き、濃いピンク色で見る者を妖艶に惑わす。
とろりと湧き出した泉をジュルルと音を立てて吸い取り、クリトリスに塗りたくりチュパチュパと効果的な愛撫。
苦悶と呆けた表情を交互に表す玲子、両肩を怒らせ腰をウネウネと動かして男の顔に擦り付ける。
………ああ〜…あっあっあ〜…んっんはっ…あ〜……
男はすぼめた唇を押しては引いて、クリトリスの根本までを微細に覆う。
ただそれだけの作業でも敏感な器官には十分なのだ。やり過ぎは女性にとって苦痛でしかない。
上目で見る玲子は白い喉を見せ、頭を後ろに倒して男の頭を掻きむしるように感じ狂っている。
落とした玲子の喘ぎ声は切迫したものに変わり、激しくブンブンと頭を左右に振る。
……あっ…あっ…あっ……………あっっっ!!!
びくっ!……、びくびくっ!っと電気ショックを受けたように、激しく痙攣をお越した玲子。
憔悴しながらも余韻に浸り、恍惚をその顔に浮かべて焦点の合わない視線を遠くに向けていた。
男に立ち上がるように促され玲子はハッとした。生徒たちと待ち合わせた時間が迫っていることに気づいたのだ。
………あの、今日はこれで終わりにしてください。あの子たちの元にいかないといけないのよ……
ーーーそれなら早く終わらせないとな
………だからもう時間が…あっ!
場所を入れ替えた男が玲子を自分の上に跨がらせようと、引き寄せた。
どうしても諦めようとしない男、このまま立ち去ろうものなら玲子には悲劇が待っている。
玲子は諦め、早く終わらせようと男を跨ぎペニス握る。自らのそこに合わせゆっくりと、何度か上下させながら腰を沈めていった。
最深部まで到達する、はぁ~っと詰めていた息を一気に吐き出す。
ゆっくりと腰を揺らす、揺らす、揺らす………。
早く男を射精に導こうと腰をグラウンドさせ、激しく上下に腰を落とす。自分のことよりも男を早く落としたくて、機械的に腰を使う。
だがどんなにその気はなかろうと、己の気持ちとは裏腹にそれは訪れる。
………ああ…どうしよう…今日はだめなのに………
じわじわ感じ始めた快感は色濃くなり、深く厚みを増して玲子を飲み込んでいく。
……きもちいい…だめ…ああ…だめ…だめっ…ああ……
次第に男を……というより、自らの快感を求めて腰を動かしていく。
ゆっさゆっさゆっさ……リズミカルに腰を使い、男の首にまわした両手で体の安定を図る。
深く突き刺さったペニスが容赦なく玲子をとろけさせ、時間も何も頭から抜けていく。
………ああ…ああ…ああ…ああいい…ああ…あああっ!
オーガズムに達し体をビクつかせる玲子。
ベニスの゙頭をふにゃふにゃと握るような動きをみせる玲子の゙膣、男には堪らない刺激だった。
今回ばかりは仕方ねぇかと玲子を立たせ、後ろからぶち込む。
男はただ射精の為だけに打ち込む、打ち込む、ただひたすら打ち込んだ。
結合部からはくちゃくちゃと卑猥な音が響く。
お互いの粘液が混じり合い、白く泡立ちながら出し入れするペニスに絡みつく。
この現場を隠す白い覆いに道行く観光客のシルエットが、すぐ目の前を通り過ぎて行く。
何か柔らかいものを手のひらで叩くような音と、くちゃくちゃと咀嚼するような音がどこからか耳に届く観光客が、何の音だろうと不思議に思いながら歩いていた。
玲子はただ声を出さないだけで精一杯、落ちそうになる腰を持ち上げられ打ち付けられる苦痛と、それを上回る快感に我を忘れて気が遠くなりそうだった。
そして熱いものが子宮入口に広がる感覚を覚え、玲子はその場にへなへなと崩れ落ちた。
どうやって生徒たちの元へ歩いたのか、記憶が定かではなかった。
乱れた髪の毛を手ぐしで直しながら少し遅れたことを誤り、車まで歩いた。
薄手のシームレスショーツを浸潤する男の精液が、サマーパンツにまで及ぶのが気になった。
車の中にではその臭いがしないかとヒヤヒヤして、窓を閉められないでいた。
彼女たちを車から降ろし、楽しそうに去る姿を見送ってから車を出す。
途端に男の生臭い臭いが玲子の鼻を突く。
信号待ちで確認をしたら、サマーパンツのそこは湿っていた。
今日にかぎって玲子は、パンティライナーを持ち合わせていないことを後悔していた。
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