現地に向かう車内の中で
シリコン製のリストバンドを渡された。
リストバンドは参加者の目印となるもので
音に反応して光る仕様になっており
物珍しさに私たちはわざと音を出して
リストバンドの反応を楽しんでいた。
山林の中での鬼ごっこということで
遭難防止のためにエアタグを各自持たされる。
山林の地図を渡されたものの
ちょっと難しくてよくわからない。
肉便器女はその地図を見ようともしないで
鞄の中に仕舞い込んでいた
現地に到着すると参加者の男性陣はすでに集合しており
さっきまで和気藹々としていた女性達からは
一瞬サッと笑顔が消える
山林の中で男性達を前にした瞬間
想像を上回る恐怖が襲いかかってきた
大自然の中で、明らかに弱者の我々女性陣は
これから野に放たれ、鬼達から逃げなければならない
私は血の気が引いた気がした
制限時間は4時間。
まず、女性が各自逃げ、30分後に鬼が放たれる。
つまり、3時間半逃げ切ればいいわけだ。
男性参加者からチラッと聞こえたことを信じるなら
女性1人あたり20万の報酬ということだった。
美人さんが恐怖と不安からか、私の手を握ってくる。
それに気づいた私は、肉便器女にも手を差し出し
私たち女3人は軽く震えながら手を繋いだ
主催者が倉庫から警報器を取り出し、
合図を出そうとしていた。
午前10時ぴったり
ブォーーーーーーーン
警報器の爆音とともに
私たちは散り散りに駆け出した。
鬼ごっこの始まりだ
※元投稿はこちら >>