こんな場所に全裸で置いていかれてどうすればいいのか分からなかった。
もし車が来たら助けを求めたいけど・・・
そんな勇気もない・・・
こんな姿を誰にも見られたくなかった、こんな防犯カメラもない山道で手錠かけられた全裸の女が助けを求めてきたら、
若い男の人なら、そのまま厭らしいことをされるかもしれない。
同じ同性の女性にこんな惨めな姿を見られて、蔑んだ目でみられるのも嫌だった。
知らない車が通ることも怖かったので来たらと怖くなり、道路から山に入って木の陰に隠れ様子みる。
アイマスクをされていただけに、ここがどこなのか全く見当もつかなかった・・・
あまりの暗さと静けさに小心者のりえは怖くなり、
恐る恐る、道路に戻り歩き始めた・・・
恐怖と不安に襲われていた。
助けを求めたいけど、全裸で靴しか履いていない・・・
この状況をどう打開すればいいのか途方にくれていた。
とりあえず、家を探し、洗濯ものやシートなど身を覆うものさえ手に入れれば
なんとかなるかもしれないと思い歩きだした。
しばらく歩くと、遠くの方から車のエンジン音が近づいてきていることに気づく。
あの男の車か別の車かは分からないが
りえは慌てて、山道に入り、木の陰の草むらに隠れて息を潜める・・・
車はものすごいノロノロ運転で何かを探しているように近づいてくる・・・
それがあの男であることは想像がついた。
激高したら何をされるか本当に分からない怖さがあるだけに、
捕まるわけにはいかなかった。
しかもさっき、言葉を選んだつもりだが、
自分の正直な気持ちも伝えた。
思い通りにならなくて、無茶苦茶なことをしてくるかもしれない。
その恐怖を考えると、全裸であっても別の助けを考えたからだ。
木の陰で、息を潜め車が目を前を通過するのをじっと待つ・・・
心臓の音が外に響いてしまっているのではないかというぐらい緊張感だった。
その時だった。
草むらの中に身を隠していたこともあり、りえの背中を何かが這っていった。
この状況で、驚かされたのと同じで、びっくりして思わず声を上げてしまった。
りえ
「きゃぁっ」
男は窓を開けて探していたこともあり、りえの声が聞こえ微かに聞こえ
車を脇に停車させて、車から出てきた。
車が停まった場所は、少し離れていたが
このままだと捕まえられると思い、とっさに山の斜面を駆け上がり必死に逃げる。
その反動で草が擦れる音が聞こえ、土や石が斜面を転げ落ちた。
男は音がした方を振り向き
サトシ
「み~つけた」
と小声でいった。
そうすると、ゆっくりとりえの方に歩いて向かった。
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