【95.性欲】
私がこちらの高校に来て仲良くしていたのは「6人グループ」の子たちで、性格、性別、成績などそれぞれだが、一様に言えたのは「とても真面目」という子はいなかったということ。
男の子4人のうち、グループのリーダー的存在が佐久間健。
グループで一番、素行にも成績にも問題はあるが、皆からの信頼は厚い。
久米尚宏。
グループ内では未だ真面目だと言える。優しく、どうやら私は気に入られているような感じかする。
安藤しおり。
実は健ではなく、しおりのほうが裏ではグループを仕切っており、雰囲気としては公佳に似ている。
だけに馴染めないし、それだけに敵にするのは怖い。
今のところはしおりとのトラブルはないし、仲良く出来ている、と思っている。
それぞれ卒業後は、しおりは短大生、健と尚宏は社会人として働いており、他の三人はそれぞれに専門学校に通っている。
よって卒業してからは、会うのはせいぜい週に一度あるかないか、だが、男の子同士、そして女子同士はそれなりの頻度で会っていた。
もちろん、グループLINEでは毎晩のように語らっていた。
とは言え、私は会合の出席率も低めで、LINEでの発言も少ない。
ひとつにはやはり大学の課題も少なくはないので時間はさほどない。
それに、、バイトもある。
いくら多額の示談金を得たとは言え無尽蔵ではない。
父からも、「響子の支援にも限度はある。アルバイトはしてくれ」と言われていた。
その、経済的問題と共に私は、、北海道に来てからもうひとつ「問題」を抱えていた。
恥ずかしいことだけど、「性欲の処理」だ。
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