[第4章]
【69.復讐】
「何すか先輩、、話って?」
兄弟にまでレイプされた私はそれから一週間、、堕胎手術も終わり体が回復した頃に亮太と潔を呼び出した。
両家との「示談」交渉についてはあとは私の気持ち次第ということになっていた。
相手側は、相応の額を用意することで訴えを取り下げることを望んでいた。
それに対し父は、私の意見を尊重する、と。
一時期は、何がなんでも罰を受けてもらうつもりだったが、今の家族の状況を考えると、離れて暮らしたい、、、
その為のお金を両家から貰うという選択のほうが、と考えるようになった。
しかも、、私は示談金を貰うだけでなく、二人を利用することにした。
「お願いがあるの、、聞いてくれたら訴えを取り下げるわ」
私は二人に、公佳に復讐したい旨を伝えた。
「それじゃ今度は俺ら、東雲に訴えられるだけじゃん」
引き腰の亮太に、私に考えがあること、応じないなら私が訴えを出す、と告げたところ、
「やるから、、報酬が欲しい」
と潔が言ってきた。
報酬などと言える立場か、と言い返したが、潔の希望は「私のカラダ」だと言う。
まだ私を弄びたいのか、と最初怒りを覚えたが、、、
「純粋に」、というのはこの場合適切な表現ではないが、何やら真面目に求めてくる潔に、、、亮太ひとりでは無理だろうし、どうしても潔に協力させる必要があったため、受け入れることにした。
それに、、、
先日、彼とも別れた。
やはり彼にもあの動画とレイプされた噂が伝わっており、、自然消滅に近いが、私から連絡先を消去した。
転居の準備も進んでいる。
公佳への復讐が済めば、この町ともお別れだ。
公佳のことで逆に捕まることになったとしても、私にはもう失うものなどない。
私は完全に「自暴自棄」
となっていた。
潔たちが立てたプランは、他に協力者を募り公佳を誘き出す、もいうもの。
あれ以来、やはり二人は公佳には距離を置かれ、呼び出しには応じないだろう、と。
幸い公佳のカラダ目的なら、協力する男の子はいるらしい。
それに、私の狙い通りなら公佳は警察に訴えることはしないだろう。
決行は明後日となった。
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