【59.兄弟の不満」
潔と亮太の二人はもちろん警察に捕まった。
私が妊娠してしまった以上、私に中で射精した男を全員、警察に話す必要があった。
二人は警察の取り調べを受け、未成年ということで保護者に一旦は預けられ、そこからは、、「示談」次第となるようだ。
両家から訪問、謝罪を受けたうちの両親も判断に困り現在は「保留中」となっているのだが、、、
私が腑に落ちないのは、公佳に何の咎めもないことだ。
もちろん、全く何もない訳ではない。
私が警察に公佳の名も挙げたので事情聴取はされたようだ。
こうして、事件が表沙汰となり数日が経ったが、、、更なる「悲劇」が私を襲った。
合計で、5人もの男に犯された私、、、それだけでは済まなかった。
ただし、、一方的に被害者ぶる訳にもいかない。
私のせいで、迷惑を被った人物、、、兄と弟だった。
二つ上の兄、貴志は実は彼と同級であり、当人同士ももちろん面識がある。
兄は私より優秀で、文武の両面に優れている。
昔から妹の私に優しい兄だったが、やはり互いに年を負う毎に会話も少なくなり、、そこは普通の兄妹もと同じであろう、、、
もう少し正確に言うと、会話を拒んでいたのはむしろ私のほうで、例えば帰りが遅い際にでも連絡をしてくるのは母だが、兄のほうは兄のほうで「迎えに行く」、といつも言ってくる。
この歳になって兄のお迎えなど、、と頼んだことはなかったが。
弟の啓介は二つ下の高校一年生で、昔は、どこへ行くにも私の後ろをついてくるような可愛い弟だったのだが、ある時期から「一線を画す」ようになった。
私のほうは付き纏われなくなって安心した、というほうが本音だが。
嫌だった訳ではないが、いつまでもお姉さん、では、、と懸念していたので。
それでも聞いた話によると、弟自身、かなりモテるらしいのだが未だに彼女はおらず、何でも理想のタイプは「自身の姉」と言ってたらしく、困惑した記憶がある。
その二人も今回の事件で「とばっちり」を受けた。
我が家の「転居」だ。
兄は、かろうじて成人しており、遠方へ家族と共に転居より、大学に近い地域で一人暮らしとなった。
弟はそうもいかず、家族と共に転居、伴い「転校」となった。
それが共に大変「不満」だと言うのだ。
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