【30.公佳】
どうしよう、、、
尋ねられたとて、答えられないこともある、、
はだけた胸元に男の子たちの視線がささる。
せめて女同士察してくれればいいのに、、、
公佳は明らかに、私に意地悪をしていた。
東雲公佳、、、
一つ歳下で確か現在、私立のR高校に通っている。
なので頭はいい。
顔も可愛らしく、私の同級生からも人気のあった子だ。
バスケも上手く、ひとつ上の私とも張り合えるほど。
しかし、、、
性格にはやや問題はあった。
とにかく「意地」が悪い。
お金持ちのお嬢様特有の「我儘」なのだろう、何でも自分の思い通りに事を運ぼうと、、あからさまに態度には出さないのだが、意のままに他人を暗に従わせようとするというのか、、、
「須藤先輩って、、けっこう可愛いブラ、してるんですね」
男の子の前でわざとそんなことも言ったりする、、、
こっちは酷い目に遭ったところなのに、、、
或いは話せば、事情を理解し、いくらこの子でも助けてくれるかも知れないのだが、、、
「そんなに見ないでよ、、、ねぇ公佳、訳ならあとでちゃんと話すから、、取り敢えずブラウスのボタンだけでも閉めてくれない?」
「だから理由を聴くのが先だと言ってますよね?事情が事情ならちゃんと警察呼ばなきゃ、、、
それに、、ブラくらい見せたげてくださいよっ、
憧れの須藤先輩のブラなんて、、二度とこいつら見れないだろうし、、、
覚えてますよね?
男バスの亮太と潔ですよ」
もちろん覚えている、、
何かと男子部とは練習の面などで交流があり、下級生の男子部員も後輩ではあったのだから。
あの頃はまだあどけなさもあり可愛いらしかった子たちが、、、背も伸びて男っぽくなっていた。
だからこそ、、こんなみっともない姿を見られて恥ずかしかった。
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