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【119.悪夢の再現】
「うっ、、やっぱり寒いやっ」
私は、待ち合わせ場所の最寄駅に着いた。
事前にケイスケさんから送られてきた地図に従い、私は知らない街を歩いていた。
そこは住宅街と、、言えばいいのだろうか、、
この時刻でもさほどの人通りはなく、示された道を進めば進むほど、少なくなっていく、、、
これから犯される、という不安より、知らないところを歩く不安のほうが今は大きかったが、それも束の間、、、
段取りされていた通り、後ろから襲いかかられる。
あの時と同じだ。
「きゃっ!」
わかっていても声は出てしまう。
「声出すな、、騒いだら刺すぞ」
誰の声だろう、、、
さすがに声では判断出来ないが、シナリオ通り刃物で脅される、、、
胸の鼓動が物凄く高まる、、、
五ヶ月前の悪夢が、、再現される。
これもシナリオの通り、車が私たちのすぐ横に乗り付ける。
ケイスケさんの車だ。
「乗れよ」
開いたドアに乗るように促されるがそれを拒み、結果再度刃物での威嚇を受け、、やむなく従う。
車には、運転するケイスケさん、それに私に襲いかかった二人、車内からドアを開け、私を待ち受けた人物の計四人、、、
もちろん昨夜のビデオ・チャットの人たちだろう。
緊張し、声を出せない私に、
「俺たちの目的、、わかるよな?お姉ちゃん」
多少の違いはあれど、あの時と同じ言葉を発する。
「聞いてんのかっ!」
「きゃっ!」
髪を掴まれ怒鳴りつける、、、
予想してたより荒っぽい展開に、怖さと怒りを覚える、、、
「な、、何なんですかっ、、、降ろしてくださいっ」
私はもう「お芝居」ではなく本心でしゃべっていた。
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