【110.安らぎ】
「君がレイプされたときの状況と違うのは、今は冬だ。たとえ関西でも屋外では無理だろうから、この車内で、と考えてるんだ」
ジョークを交えつつ、出来るだけ穏やかに、という配慮は有り難いが、、、未だ「レイプ」というフレーズに平気でいられるほど私は強くはなかった。
「ええ、、あの、、何人で、、なんですか?」
「4人になったよ、、僕を含めてね」
僕も、、って、やはりケイスケさんもレイプには加わるんだ。
「どうしたの?今日は何だか元気ないって言うか、、、
そりゃ自分がレイプされる打ち合わせなんて、いい気はしないよね」
「あ、、いえ、もちろんそうなんですけど、それについては色々考えて決めたことなので、、大丈夫ですっ」
「色々、、って?」
えっ、、、
ケイスケさんらしからぬ追及に、少し動揺した。
「あ、、ごめん。他意はないんだけど、キョウコちゃんの気持ちは何でも知りたいっていうか、、ね」
今の私は、相手の話を聞かされるより、私の気持ちを尋ねてもらうほうが、私の気持ちを聞いてもらうほうがほっとする。
普段、学校では求めてられない欲求と言える。
そういう意味では、ケイスケさんは、最良の話し相手だった。
「上手くは言えませんが、一番は、もう一度そういう境遇に立たされてみることで、、『レイプと向き合う』って言うか、、、
何言ってるか解りませんよね、私、、、」
「そんなことはないよ、、、むしろよく解るよ。
『向き合わないと先へは進めない』と言ったのは僕自身だからね」
同意してくれることが、私に安らぎをくれる、、、
ケイスケさんとの会話は、本当に心地良いものだった。
※元投稿はこちら >>