話終わるまで、瑞枝は無表情のままだった。
しかし凉子は、そんな母の日の美しい顔に一筋の涙が流れているのを見た。
凉子は決心した。
「お母さん。
私、社長のお妾になる。」
娘の決意を聞くと瑞枝は、それまでの無表情を壊し、がばっと身を乗り出して娘の両手を握った。
「凉子ちゃん!
本当に、良いの?
裸にされて、縛られて、死にそうに恥ずかしい事をされるのよ?
あなた、お母さんが旦那様に責められてるのを見て、何度もそんなお母さん嫌だって泣いたじゃない。」
「うん、お母さんだって、それにずっと耐えてきたんでしょ。
私、何も知らずにお母さんにひどい事とか言ってごめんなさい。」
そして二人は、抱き合ったまま泣いた。
いよいよ凉子の13歳の誕生日。
母娘の表現が明るい訳はなかった。
一人社長だけは、
「凉子ちゃん、お誕生日おめでとう。
今日から大人の仲間入りやな。」
と上機嫌だ。
「これは、誕生日プレゼントや。
ケーキも、お母さんが買ってくれてたやろ。」
社長からのプレゼントは2つあった。
一つの包みを開けると、まだ子供っぽい凉子には早すぎるような、大人びた高級なワンピースとファッションリンクのセットだった。
「ネックレスは、まだ早かろうと思ってな。
凉子ちゃんの首には、今日からこれや。」
社長が開けた二つ目の包みには、赤い犬用の首輪と、細い銀色のチェーンリードが入っていた。
瑞枝は目頭から涙が溢れそうで、そっと目を伏せたが、送られた凉子本人は微笑みこそしなかったが、泣いたり悲しそうな顔をせず、
「おじさん。ありがとうございます。
いえ、今日からはやっぱり旦那様って言わなくちゃいけないんですよね。」
と真っ直ぐに社長の顔を見て言った。
「おう、良く分かっとるようやな。
本当に良い子や。
よし、じゃあ今着てるセーラー服脱いでや。」
凉子はこくりと頷くと、立ち上がってセーラー服を脱ぎ始めた。
学校の制服は、上下濃紺のセーラー服、下は黒のタイツである。
セーラー服を脱いだ後、凉子は純白のスリップに黒のタイツ姿で、立ったままその身体を社長に晒した。
「おおっ!良いのう..。
最近の女の子は、キャミとか言う短いのを着とるが、わしは昔からの純白のシミーズが好きやな。
下はガーターで止めるストッキングとは違うが、黒いタイツやな。
後で脱いでもらうにしても、凉子ちゃん、なかなかセンス良いで。」
社長にとっては、昔の青春時代の女学生のイメージを思い出せて嬉しいのだろう。
とても上機嫌だった。
しばらく下着姿を観賞した後、社長は凉子にタイツとスリップを脱ぐように言った。
凉子は社長の後ろで母が心配気にしているのを気にしながら、まず肩紐を外しスリップを落とした。
下はやっと最近カップ付きスリップから替えたばかりの Aカップのブラジャー。
それもいかにも中学生向きのジュニア向きのデザイン。
もちろん色は白である。
下半身はおへその高さまで覆う黒のタイツだが、その下には、やはりおへそまで覆う大きなジュニア向けのコットンショーツが穿かれているのが僅かに透けて見えた。
「凉子ちゃん、もうブラジャーしとるんやな。
しかし、本当に可愛いブラジャーや。
さあ、タイツも脱いでしまってや。」
社長に促されて、凉子はタイツのウエストゴム部分に指を掛ける。
そこでちょっと躊躇ったような顔をしたが、直ぐにタイツを下ろし、足から抜いた。
「おおっ!
パンツも大きくて真っ白かいな。
いかにも女の子らしくて、本当に良いで。
さすがにお母さんに似て別嬪さんや。」
社長は本心から本当に、凉子の身体を美しいと思って誉めているのではない。
わざと凉子の恥ずかしがる気持ちを掻き立てるようにと言っているのだ。
それは側で見ている瑞枝にも、痛いほど分かった。
可哀想な凉子ちゃん..。
耐えてちょうだい。
そして、もし耐えられなかったら..
お母さんと一緒にお父さんのところに行きましょうね..。
瑞枝は旦那様の目が凉子の方を見てくれてる間に、そっと目頭を押さえた。
そんな母の様子を、社長の肩越しに凉子も見ている。
お母さん、今までずっと一人で苦しんでたんだね。
ごめんなさい。
今日から凉子も一緒に苦しむから..。
そう思いながら、凉子はそっとブラジャーの肩紐に手を掛けた。
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