文香が、元彼に気づいたのは今夜の一組目を相手しているときだったとのことだ。
ギャラリーの中から視線を送る元彼に、もちろん文香は絶句した。
自らが望んで別れた相手だ。こんな姿を見せるは本意でない、、、しかし向こうは「客」としてここにいる。
文香には、追い出すことも隠れることも出来なかった。
一組目との行為が終わる。しかし、やはりすぐにはカラダが動かず、文香が逃げる前に、
「文、、久しぶりだな。すげぇことしてんな、、次、俺らの相手頼むわ」
「え、、?」
元彼からの予想だにせぬ申し出に、もちろん拒もうとしたが先に釘を刺され、
「逃げたらここでのこと、バラすぞ?」
その一言で、文香は逃げられなくなった。
控室で文香はどうすべきか悩んだ。
仁志に助けを求め、彼を追い出してもらうことは出来ただろう。が、根本的な解決ではない。むしろ相手を怒らせ、より拙い事態になり得る。
冷静に考えた結果、「今夜、相手するだけで済むなら」と、応じる覚悟をした。
彼らのコンタクトを受けるために、文香は例の「拒否意思のリング」をつけてフロアに戻った。
ブースにつくと、文香を求めて一人、二人と男がやってくるが、文香の手のリングを見て、怪訝そうに退散する、、
その元彼たちのグループが来ると、文香はリングを外した。
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