八十三
「失礼、、同席、構いませんか?」
文香のブースにさらに一人、、
ブースでは「複数プレイ前提」の女性ということになっており、つまり女性が拒むことはない。
ただ、先客たる男性にはひと言、断りを入れ「許可」をもらうことが礼儀、となっている。
「もちろんです、、さぁどうぞ」
大抵の場合、男性も「複数での行為」を希望してるから拒みはしない。
3人での会話が続く。
会話の上手い男性なら、まず女の子を和ませ、だんだんと「交渉」に入る。
「歳は?」「学生or社会人?」と、差し障りのない質問から入り、「経験は?」「好みは?」「バストは何カップ?」「SM経験は?」などと質問がだんだんと深いものになる。
「19歳です、、大学生です」
「、、経験、、あります」
「C、、くらい?」
「、、縛られたくらいなら、、、」
大抵の男は、文香の回答を聞けば「脈あり」と思うだろう、、
「明日香ちゃんは、二階のプレイ・ルームを見たことがある?」
遠回しな尋ね方は、大人の男の嗜みだ。もちろん女性側がそれをどう感じるかはそれぞれだが、、
「、、は、はい」
「え、、あるんだ?」
文香の返答に驚いた様子の男たち、、、いつの間にかもう一人増えている。
一回のプレイ時間には上限があるので、あまり大人数だと自分の番が回ってこなくなる。
東京で私が働いていたときは「30分」だったので3人でも、、という条件だ。
それを鑑み、こちらでは「45分」と設定されたらしい。
「行ってみない?、、上へ」
「、、、、」
躊躇ってみせる文香、、
こういうときは、即答せず、焦らしてみせろ、というのが真壁の指導だ。
が、恐らく文香の場合は、本当に躊躇しているのだろう。
彼女の中には、「そんな女に見られたくない」という自尊心と、それに反し男を欲する気持ちとが交錯している。
「行ってみようよ、、明日香ちゃん」
隣に腰掛ける男に、肘を持たれ立ち上がる、、、
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