「それを差し引いても、私には魅力的な条件なので」
文香は、「多大なメリット」である、と説明した。
それは判るのだが、、、私自身従事していたので「報酬の高さ」はよく知っている。
ただ、、それだけではないらしい。
文香は、男と別れて数日で「カラダの異変」を感じた、とのことだった。
女のカラダは、何かと都合の悪いことがある、、、
連日のように与えられていた「モノ」が無くなり、文香の意志に反してカラダはそれを求め続ける。それが自分の力だけでは儘ならぬことがある。
そこまで訴えると、文香はまた泣き出した。
「十分判ったよ、文ちゃん、、もういいから。さっきも言った通りこちらとしても是非採用としたい」
真壁からの「採用」の言葉を聞いてなお文香は続ける、
「こんなカラダにされて、、、なら、、どうせなら経済的に母を助けたくて、、、どうせなら、、、ううっ」
「もう、、いいよ文ちゃん、、、大丈夫だから」
私は文香に寄り添うくらいしか出来なかった。
早速明日から出勤したい、との文香の希望を取り入れ、ならば明日に備え心身を休めるように、と文香を先に帰した。
「あんないい子が、、ねぇ、、、複雑ですね、人生って」
同情交じりか、仁志が溜息を落とすが、
「そうか?、、、残念ながら『あり得る』話の範疇だよ。文香の話を特別に感じるなら、、仁志は幸せな、真っ当な二十数年を歩んできたんだよ」
私は、、どちらかと言えば真壁の言葉に同感だった。
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