シャワーを終え、事務所で温かいものを口にし、文香は幾分か落ち着きを取り戻した。
「お疲れ様、文香ちゃん、、、どうだった?この仕事やれそうかな?それとも、、、」
「はい、、大丈夫です」
真壁の言葉を遮り承諾の返事をした。
あれほどのことをされ、なお即答するほどの決意が、元々この子にはあったみたいだ。
「ありがとう、嬉しいよ。しかし、なら聞いておかなければ、、ね。もう少し深い事情も」
文香の話はこうだった。
大学に入って2か月ほどでできた彼は4年生だったらしい。
そして直様「カラダの関係」を求められ、大学生になったのだから、と文香も拒むことはなかったそうだ。
しかし、回を重ねることに様々な「経験」を文香は半ば強いられた。拘束や顔射などもその頃既に経験したらしい。
そして行き着いた先が「輪姦」。最初は彼の友人。彼宅で飲んでいたところを寝てしまった彼の横で犯されたらしい。あとで判ったことには、その時彼は「寝たふり」をしていたらしい。
次に彼氏を交えた「複数行為」を初めて経験し、それが3人、4人と増え、最終的には十数人に及んだ、と。
「嫌気がさして、お店で雇っていただいた2週間前くらいに別れました。
もうすぐその男も卒業で、関係を持った人たちも、です」
事情、というか文香のバック・ボーンが垣間見えた。
が、
「話は判ったけど、なら尚更、、、文ちゃんにはこの仕事、辛いんじゃない?」
腑に落ちなかった私だが、文香の説明は、私だけでなく真壁たちをも納得させるものだった。
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