事前に文香は色々と「予習」はしてきたようだ。
元々、高偏差値大学の優等生。だからこそこんな仕事に身を染めるなど、最初は信じ難かった。今でも半信半疑だけど、、、
「もちろん別室でプレイすることもある、、というより割合としてはその方が多いな」
「そ、そうですよね、、ここだと他のお客さんから丸見えで、、、」
説明を受けながら、様々なことを想定しているようだ。
「まぁ、、丸見えという点では、別室も変わらないかな、、、じゃあ実際に、、麻由ちゃん、行こうか」
真壁オーナーに肩を抱かれ、この店の「別室」へと促された。
実のところ私も初めて見る。改装後の新店舗が出来たときに、外観は見たのだが私は中は見なかったから。
元は二階は事務所になっていた。が、真壁オーナーの意向で、
「こんな大きな事務所なんて要らないよ。勿体ない」
と言って、一階の小部屋を事務所とし、二階は「プレイ・フロア」に改装してしまった。
「えっ、、ここで、、するんですか?」
文香の驚くのも無理ない。私も驚いている、、、
照明は全体に暗めで、部屋は3つ、、左右の小さめの部屋はまず扉がない。閉めるものがないのだから当然「丸見え」で、、、
そして中央の部屋には、東京の店にあったいわゆる「SM」の什器が備わっている、、、いや、東京以上の備えだ。
「うちの自慢の部屋さ。せっかくだから麻由ちゃん、、」
何がせっかくなのか、、私は中央の部屋へといざなわれた。
※元投稿はこちら >>