「あ、、お疲れ様です、オーナー、、今日はよろしくお願いしま、、すと私が言うのも何ですけど、、、」
笑いをとるつもりはなかったのだが、文香が少し和んでくれたのでよかった。
「ああ、、麻由ちゃんこそご苦労様、、じゃあ早速だけどよろしくね」
私たちは店内へと向かう。実際の接客のシチュエーションを文香に見せるためだ。
「ここが店内だよ。どう?」
店内を隅々まで見渡す文香、、
「想像と少し違いました」
仁志が文香をブースへ促す。
「簡単に説明すると、お客さんは別にどこに掛けてもいい。男性でも女性でもね。そして自由に声を掛けてもいい」
文香は真剣に聞き入る。
「さ、麻由ちゃん、、掛けて。実際の様子を文香ちゃんに見せよう」
私は促されてブースに座る。
「たとえば、だ。この女性客が文香ちゃんだと思って」
オーナーと仁志が私と同じブースに着く。
「失礼、、ここ、いいですか?」
(いいですか?って、もう座ってるじゃない)
そう思いつつ、ここは黙っていた。
「こうやって、まず会話を楽しみ、酒を楽しみながら『交渉』する」
「『交渉』、、ですか」
文香には「交渉」の意味も解っているようだ。
「君は、店側が送り込むキャストだ。基本、お客さんからの交渉は受けてもらうことになるよ」
文香の表情が一層引き締まった。
「で、交渉成立後は『行為』を愉しむ」
これは意味が解らないわけがない。文香の顔が赤くなる。
「、、ここで、、ですか?」
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