「あ、、お久しぶりです、麻由さん、、いえ、オーナー」
バツが悪そうに仁志が私に挨拶をする。それはこちらも同じだ。
「麻由でいいよ、、オーナーは真壁さんだよ」
あんなことをされた相手であり、恥ずかしくもあるが、今や真壁さんの片腕として働く「店長」だ。
大沢の店を買い取ったとき、改めて新店舗の店長として雇い入れることを、夫から真壁さんに頼んだのだ。
今日は成り行きでまた私と「行為」に及ぶこととなり、仁志のほうも困惑している。
「あ、この子が文ちゃんね。澤井文香さん」
「よ、よろしくお願いします」
仁志も一瞬戸惑いの表情を浮かべる。
「あ、、店長の北野です。よろしくお願いします、、、確かに麻由さん、、、こんな店には勿体ないくらいの可愛らしさですね」
そう言われて文香のほうも困惑気味だが、
「事情は話した通りよ、、、じゃあ、、私はシャワーをお借りします」
結局、主人は反対しなかった。
「麻由がいいのなら、、、あ、俺も見に行こうかな?」
何を考えてるのやら、主人も同席すると言ったが、それには反対した。
「やあ文ちゃん、ご苦労様。仁志、麻由ちゃんは?」
「シャワーに行かれましたよ」
交わされる会話だけで戸惑いを見せる文香に真壁は、
「文ちゃん、今日はそんなに心配しなくていいよ。見てるだけだから。その上でもし、、無理だと思ったら正直に言ってくれていい」
とにかくキャストに対して真壁は紳士で優しい。
「大丈夫です、、もう決心出来てます」
文香は気丈に答えた。
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