「もちろん知ってます」
知ってたんだ、、その上で、なんだ。
「へぇ、、あの子が?、、また何でだろ?」
迎えの夫の運転する車のなか、文香からの相談の内容を話した。
「お金が要るんだって、、どうする?」
主人は少し考え込んで、
「俺は賛成し兼ねるなぁ、、、麻由はどう?」
それは私もそうだ。安易に承知できる仕事ではないのは、私がよく解っている。
文香は今年大学2年生になったばかりの未だ19歳。
勤務態度、人物は真面目そのもので誠実、なぜこんな仕事を、と、うちに面接に来たときも店長が尋ねたが、「金銭的条件の良さ」と、ストレートな回答だったらしい。聞けば、大学の学費など実家への負担を考え、出来るだけ条件のよいバイトがしたい、とのことだ。
他人事のように思えなかった。
「そういうことなら、麻由に任せるけど」
夫からの委任を得て、私は明日再度文香と話し合うこととした。
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