それからほんの数日ののち、真壁から「処理が済んだ」、との報を受け、私と、病み上がりの文香は二人して店を訪れた。
あれから文香は、二日ほど寝込んだが、何とか回復した。
暴行を受けたところも、高広がかなりソフトに行為していたため裂傷もなく大事には至らなかった。
メンタルも、さほど傷を負ったような様子はなく、私を凌辱したことへの怒りが大きかったようだ。
「それで、、高広たちはどうなったんですか、、、私のことはいいので警察に突き出してやりたいです」
文香はそこまで考えているようだ。
「文香ちゃんの気持ちはよく解るが、店の『損害』もある」
真壁の言う「損害」とは、もちろん文香のことである。
店の看板たる文香を傷つけられ、真壁の怒りは文香同様であった。
片や夫は、、というと、私の身を案じてはくれるものの、連中への「怒り」のようなものは見せない。
妻たる私を汚されておいて、怒りがない、ということもないだろうが、、、
聞いた話では、慎吾が提供してくれた情報を元に連中とコンタクトした真壁は、「その筋のプロ」、と称する人物と夫を同行して高広たち三人と話し合いの場を持ったらしい。
慎吾だけは、暴行に一切加担しておらず、店内での行為はあくまで料金を支払ってのことであり、かつ事後の協力も鑑み、不問となった。
自分たちの「部の悪さ」を認めた高広たちは「金銭」での解決を提示したらしい。
それなりのエリート・サラリーマンらしく、かなりの請求額に対してもスムーズに取引に応じたらしい。
しかし、どうやらそれで「終わり」にはならなかったらしい。
高広は、「虎の尾」を踏んでしまった。
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