慎吾の反対で、話は一向纏まる様子がなかった。それ以前に、私は同意してはいない。
拉致のあかぬ展開に、高広が慎吾をブースの外に連れ出す、、、何やら話しているがここからは聞き取れない。
「お姉さんは文香ちゃんとはどういう、、?」
「もしかしてお姉さんも、上の部屋で、、、ってあるんですか?」
残された二人が絡んでくるが、私は高広と慎吾の話が気になり、相手にしない、、、やがて二人が戻ってきた。
「お姉さんの返事、聞かせてよ。それ次第で、俺たちもう帰るから」
私には選択肢はなかった。
文香にこれ以上手出しさせることも、文香の学校に、このことを知られるわけにもいかなかった。
「わかったわ、、でも、ここでは外せない」
私の返答に、いやらしい笑みを浮かべる高広だが、
「それってつまり、、『ここ以外』のところにお姉さんを連れて行って、、そこでならリング外すんだね?」
最早後戻りの出来ない状況だった。
「一回きり、、以後文ちゃんに二度と近づかない、、という条件でね」
俊樹さん、、ごめんなさい、、
夫の許しなく決めてしまったことに申し訳ないとは思うが、、、これ以外の方法が見つからなかった。
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