展開は予想以上に不利になった。この高広という男、、なかなか「悪辣」だ。
「須藤さん、、出来るだけ穏便にお願い出来ませんか」
相手を刺激せぬよう、私も言葉を選び高広を説得するが、
「だから何の代償もなしに『はい、そうですか』ってのはあり得ませんよ、、これ以上話しても無駄なら僕たちは今から文香を呼び出すだけです。そこからはお姉さんには関係ありませんよ」
これでこの連中を脅したところで、立場が悪くなるのは文香だ、、、
「わかりました、、どうしたら文ちゃんを呼び出すのは止めてもらえる?」
高広はニヤリとした。
その目に、私はただならぬ悪い予感がした。
「なあみんな、、文よりこのお姉さんのほうが綺麗だよな」
他も高広に同意する、、、慎吾を除いては。
「どうでしょう?ひとつお願いしていい、、お姉さん」
「、、なに?」
私は、悪意に満ちた高広の表情を見ながら尋ねた。
「そのリング、、外してもらえませんか」
どういう意味か、、尋ねるまでもなかった。
「私は夫も子供もいる身なので、、、」
「え、、お姉さん、結婚してるの?、、それに子供さんまで、、、見えねぇなぁ、、、」
一同、驚いたようであったが、
「でも、、俺もこのお姉さんのほうがいいかも、、、『人妻』、とかいいじゃん」
嫌悪感しかなかった。
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