「須藤さん、ですね」
不意に声を掛けられ、動揺した高広だが、、
「ええ、、どなた?」
「文ちゃんの代わりに、、来たといえばいいのかな、、、」
文香の名前を出すと、連中はさらに動揺したようだ。
あの翌日、早速高広からの連絡が入った。
次の「出勤日」を尋ねられ、偽ることが無理だと思った文香は高広に正直に告げ、そのあとすぐに私に相談してきた。
私は文香に、その日は私が代わりに出向き、男たちと話をつけるので休むよう伝えた。
「で、、お姉さんのご用は?」
高広のほうから話を切り出した。私はこれ以上、文香と関わらぬようにという旨、彼らに伝えたが、、
「待ってください、、文香に会わせてくださいよっ、、少なくとも僕は文香ちゃんに会いに来たんで」
一人の男の子が興奮気味に私に詰め寄った。慎吾というらしく、おととい、えらく文香を気に入ったとのことだ。
文香が今日は来ていない旨を伝えると、さらに興奮して私に詰め寄るも、
「まあ待てよ慎吾、、来てないんだから仕方ないだろ、、、今日のところは、このえらく綺麗なお姉さんと『交渉』、ってことで」
「交渉?」
この言葉にこの高広という男の、強い「悪意」を感じ、背筋が冷たくなる。
「話は概ね見えましたが、、『対価』は何です?」
対価、、、さらに悪意に満ちた言葉に感じた。
「対価が必要だとは思わないけど」
「そうですか?、、お姉さんがどこまでご存知なのかわからないけど、、今から文香をここに呼び付けることも、僕には出来ますよ」
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