長い長いシャワーから部屋に戻った。
沈んだ気分のまま椅子に座った。
だいじょうぶ・・・
もう男はいない・・・
もう襲われない・・・
襲われるようなことはしない・・・
たとえ・・・襲われたくなっても・・・もう方法はない・・・
何となく携帯を弄っていた。
無意識に、あの出会い系の掲示板を覗く。
「ちきしょ!待ち合わせ場所に来なかった!H県の森女!めちゃくちゃ期待してたのに・・・」
怒っているような文章は、可愛い絵文字で飾られていた。
H県の森女・・・
掲示板のほとんどの人がわからないだろう。
それは私が掲示板に書き込んだ時、ふざけてつけた名前だった。
少し悪いことした気がして苦笑いをした。
画面をスクロールする。
時間が今に近づいていく。
そして同一の名前 同一のIDの書き込みを見て、私は凍り付いた。
「H県A市 〇山公園 尾行成功 メールしてこないと終わっちゃうよ?」
メール欄には いかにも適当に作ったと思われるアドレスがあった。
他人が見たら何のことだか解らないだろう。
だけど私にはよく理解できた。
たとえ・・・襲われたくなっても・・・もう方法はない・・・そう思ってたのに・・・
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